“画布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
カンバス38.9%
カンヷス11.1%
キャンヴァス11.1%
カンヴァス11.1%
かんばす5.6%
キャンバス5.6%
トワアル5.6%
トワル5.6%
トワール5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の間には、絵具のチューブが、滅茶苦茶めちゃくちゃに散っていた。父の足下には、三十号の画布カンバスが、枠に入ったまゝ、ナイフで横に切られていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
どうも普通の日本の女の顔は歌麿式や何かばかりで、西洋の画布カンヷスにはうつりわるくつて不可いけないが、あの女や野々宮さんはい。両方共になる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
顔料だけは、持ち合せのもので辛うじて間に合せましたが、画布キャンヴァスがなく、むを得ず市民の好意で、紙草パピュルスいてもらい、これに描いておりました。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
少なくとも私には——そのときの私の周囲の事情にあっては——この憂鬱症患者が彼の画布カンヴァスの上にあらわそうとした純粋な抽象的観念からは
どれが菖蒲あやめか、どれが杜若かきつばたであるのか、子供達にはそんな事はどうでもよかつた。どれもこれも美事であつたからだ。この花は水の画布かんばすに刺繍されて、いよいよ美事になつた。
雑草雑語 (新字旧仮名) / 河井寛次郎(著)
まず第一に現れたのは六号画布キャンバス大の、紙とも付かず皮とも付かぬ強靱きょうじん代赭たいしゃ色のへなへなした物に描かれた、精細なスケッチ風の油絵であった。都合三枚あった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
紙片、画布トワル、其等の物が雑然と人り乱れ
画布トワールの上には薄つすらと絵具が溶かされてゐるのに過ぎない。そして多分そのためなのだらう、画面にこまかく揺れうごくものの影が多くなつてゐるのは。
恢復期 (新字旧仮名) / 神西清(著)