画布キャンヴァス)” の例文
顔料だけは、持ち合せのもので辛うじて間に合せましたが、画布キャンヴァスがなく、むを得ず市民の好意で、紙草パピュルスいてもらい、これに描いておりました。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
もう油絵を描きたくても画布キャンヴァスもないし、次便の来るまでには四カ月も間があるし。……その間木炭だけしか書けないかと思うと心細くなる。しかし蛮土の恵みには木炭だけには事欠かぬ。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)
画布キャンヴァスと違って、絵具の乗りが悪くて困ると、描きながらよくこぼしておりました。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
この絵を描いた人が顔料だけは現代の絵具を用いながら、画布キャンヴァスなりそれに代るべき紙製品なぞを用いず、紙草を用いたということは、すくなからず私共に奇異なる感を懐かせたのであります。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)