“カンバス”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かんばす
語句割合
画布70.0%
羅針盤10.0%
10.0%
画版10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岡は画布カンバスを張るための白木の縁を岸本の見ている前で惜気もなくへし折って、それを焚付たきつけがわりに鉄製の暖炉の中へ投入れた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それまでキューネは、ただ羅針盤カンバスだけでこの舟を進めていた。いま針路は真東にゆき、エリス諸島辺へむかっている。それだのに、赤道ちかいとは何事であろう。
「太平洋漏水孔」漂流記 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
事によったら、皇后カイゼリンアフガスタ川の叢林中につないで置いたあいだ、なにか羅針盤カンバスが狂うような原因があったのではないか。そこで、念のため軽便天測具カラバッシュを持ちだして、その夜、星を測ってみたのだ。
「太平洋漏水孔」漂流記 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
活動写真のカンバスへ皺が寄るように、時々、街路の光景が歪んだり、へこんだり、ぼやけたり、二重になったりして、瞳に映った。
恐怖 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しかし自分の画版カンバスはあまりに狭く自分の目の前にひろがっている世界はあまりに荘重美麗である。自分はただ断片的なる感想を断片的に記述する事を以て足れりとせねばならぬ。
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)