“しか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シカ
語句割合
29.8%
15.8%
14.6%
11.7%
7.9%
7.3%
鹿3.3%
1.4%
1.3%
仕掛1.0%
(他:142)5.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、ぼく達は、向うの新聞に、オォバアワアクであると、批評されたほど、傍目わきめもふらずに練習を重ねるのでした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
なさけで、ゑず、こゞえず、しか安心あんしんして寢床ねどこはひることが出來できた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ただ、前のお家の西山さんのお嫁さん、といっても、もう四十くらいのおばさんだが、そのひとにだけは、びしびししかられた。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
しかしそのもとをいかにして養うかについての実際的な考慮こうりょが足りないとて、いつも孔子にしかられるのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
しかしその若武者も日本人を憎むけはないから、私などが仮令たとい時の洋学書生であっても災にかかる筈はない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
馬「旦那まア板子の下へ女の子を入れてくなんざア凄い寸法で、しかし旦那よくまアの八釜しい御番所の前をねえ」
しかも、乳母として、お清さんと呼び、確か重明が十か十一の年までまめ/\しく仕えていた所の女が、彼の実母であったのだ!
黄鳥の嘆き (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
しかれども諸番国しょばんこくの使者したがって朝見し、各々おのおのその方物ほうぶつこうす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ばばは、しかと。――離せばえて、そのままほろりと、小舟のへりから落ちてしまいそうな、お通の体を抱きしめて、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の未来は封じられたつぼみのように、開かない先はひとに知れないばかりでなく、自分にもしかとは分らなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただひとみれ上がったねこのような眼と、いつも動きを見せてるしかめた奇妙な鼻とだけが、昔のとおりです。
「そんなにキチキチされちゃかえって困るな。」と顔をしかめて言う。「商売が商売だから、どうせそう綺麗事に行きゃしない。」
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鹿しか本州ほんしゆう四國しこく九州きゆうしゆう朝鮮等ちようせんなどひろ分布ぶんぷしてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
さを鹿しか入野いりぬのすすき初尾花はつをばないづれのときいもまかむ 〔巻十・二二七七〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
物理現象においてもしかいわなければならない(ロッチェはその『形而上学』においてこの点をあきらかにしていると思う)。
絶対矛盾的自己同一 (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
滝は、ひでりしかく骨なりといえども、いわおには苔蒸こけむし、つぼは森をかついであおい。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
墓向うの家の水を貰いに往った女中が、井をのぞいたらごみだらけ虫だらけでございます、と顔をしかめて帰って来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
勘次かんじさん」とうち女房にようばうけた。勘次かんじしかめてとき
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
こないだっから仕掛しかけて居たものが「つまずい」て仕舞ったのでその事を思うとまゆが一人手にって気がイライラして来る。
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
前後左右ぜんごさゆうからその品物しなものることの出來できるのはじつ便利べんり仕掛しかけではありませんか。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
実平は、席のすそへ坐って、こう取次いだ。彼は、自分で取次ぎに出た事柄に、自分でもまだしかと信が持てない容子であった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宗湛はしかとそう意志しながら静かに壁間の懸物かけものはずして巻き、箱にまで納めて、それを小脇に持った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで崑をしかって、急いで往って伴れ帰らそうとしたが、崑は火のように怒って承知しなかった。
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
頭髪あたかも銀のごとく、額げて、ひげまだらに、いといかめしき面構つらがまえの一癖あるべく見えけるが、のぶとき声にてお通をしか
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これを目當に走り寄りて、しかと抱きつくほどに、石落ち柱倒れ、人も獸もあらずなりて、我はた人事をしらず。
庄吉はその時まで片手にしかと下駄を握っていた。家を出る時、自分でも知らないで下駄を持って来たものと見える。
少年の死 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
変装をしたって仮面をかぶったって、賜暇しか中のアタッシェか、近衛このえの少尉か何かのようななりをしたって、だめなのです。
休暇はあるが、わずか、一日に過ぎない。郷里のある者は、郷里へも帰れるが、それは三年に一度しか、賜暇しかされない規則である。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
芳賀博士の攷証本にもしかと出ておらぬ、多分インドで出来たのでなく江乙の語に拠って支那で作られたものかと思う。
しかと認めがたけれど大抵青大将という蛇に似たり、この蛇水中にて人の手足をまとえど捕り殺す事を聞かず。
あたかも感覚が鈍くなったようで、お政が顔をしかめたとて、舌鼓を鳴らしたとて、その時ばかり少し居辛いづらくおもうのみで
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ト云ッて顔をしかめたが、お勢はさらに気が附かぬ様子。しばらく黙然として何か考えていたが、やがてまた思出し笑をして、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
喜代子の美しい顔が引きしまって、それからしかめた泣き顔になりそうなのを、中野さんは喫驚したように眺めた。
叔父 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
三吉は、裏白の付いた細長い輪飾を部屋々々の柱に掛けて歩いたが、何か復た子供のことでお雪が気をいためているかと思うと、顔をしかめた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日暮れまえに、太田黒兵助ひょうすけたち三名の使いの者から、武蔵の手へ、確乎しかとわたして承諾を取った果し合いの出合い状には、
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
容子ようすかられば近村きんそんではあるが何處どことも確乎しかとはれない天秤商人てんびんあきうどからそれをもとめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
前の場合には、若しかすると人違いを仕兼しかねませんけれど、後の場合では、すぐその人と分って了うのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
助手の失敗は教諭の失敗でありますから、責任感の強いS教諭は、ことによると引責辞職をするか、或は自殺をも仕兼しかねないだろうと考えたのです。
痴人の復讐 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
加之しかも二度目の傷は刃物で突かれたと見えて、洋袴ずぼんにじみ出る鮮血なまち温味あたたかみを覚えた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
加之しかも一旦貰った女房は去るなと言うでないか? 女房を持つのが堕落なら、何故一念発起して赤の他人になッちまえといわぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「なに、千円をくれる。そんな物は貰ふわけにかない。」裁判官はわざわざ取つておきのしかつべらしい顔をして言つた。
「本は解つとる。」将軍は蟹のやうにしかつべらしい顔をした。「だが、何の本だと訊いとるのぢや。」
敵に前後を挟まれた重太郎は、ず当面の邪魔をはらうにしかずと思ったのであろう、刃物をふるって巡査に突いてかかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何ぞ軽快拙速、局面を打破し、然る後おもむろに地を占め石をくの、まされりと為すにしかんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
されどもくその萌芽を出して立派に生長するとしからざるとは、単に手入れの行届くと行届かざるとにるなり。
家庭習慣の教えを論ず (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかし近衛の方から言へばややわれらを食客視したるかしからざれば部下の兵卒同様に師団の着広と共にわれらはその命のままになるものの如く思惟しいしたるなるべし。
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
『孟子』によれば、孔子の没後、子夏しか子張しちょう子遊しゆうは有若が孔子に似たるをもって、孔子に仕えたようにこれに仕えようとしたが、曾子の反対を受けた(滕文公上)。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
子夏しかが孝の道を先師にたずねた。先師がこたえられた。――
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
虚「イエ/\あなた方は何うもやアしません、何しろ飛んだ御災難で、御婦人連れですから、間が宜ければ追剥をしようと為掛しかけた悪い奴で」
ワシリの顔は天幕に帰つてからも矢張不機嫌らしく見えた。そして話を為掛しかけてあるのを忘れたか、それとも跡を話したくなくなつたかと思はれる様子をしてゐる。そこで話の結末が聞きたいと云つて催促して見た。
名作中こゝかしこに稍〓過ぎたりと見ゆる節あるをば、その作者の一時の出來心と看做みなして、ゆるすこともあるべけれど、その疵瑕しかは遂に疵瑕たることを免るべからず。
が、同じ時代の他の作家の作と比べて決して見劣りしなかったが、己れの疵瑕しかを感ずるに余りに鋭敏な作者は、丁度神経過敏家がの毛で突いたほどの負傷でも血を見ると直ぐ気絶するように、自分の作が意に満たないとてもってもいられなかったらしい。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
之加しかも夜、やや褐いろに近いと思えた目は紛うかたもない藍ばんだ黒さで、両側の長い睫毛まつげおおわれていて、あだかも澄んだ蒼い池のまわりの蘆荻ろてきの茂みのようで、しかもゆっくりした光をもって、しずかに、かれの視線を見返したのであった。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
成るほど藻西太郎は其妻にほだされて伯父を殺すの事情充分あり「之加しかも自ら殺せしと白状したり」愈々いよ/\彼れが殺せしとすれば成るほど其疑を免るゝ奇策として我名をしるすの外なきなり、我名を記すも老人の右の手を以て記す可からず、唯左の手を以て記すの一方なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
日頃自分が慕つて居る、しかも自分と同じ新平民の、其人だけに告白けるのに、危い、恐しいやうなことが何処にあらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかも学校へは女生ととものうて通いにき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
このことについて、後の史家しかは、信雄の軽率と、その心事を、嘲笑的ちょうしょうてきに書いている。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天下てんか後世こうせい史家しかをしてそのるところを確実かくじつにし
玄關正面の見事の獅噛しかみは、雨の爲めに崩れ落ちた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
と切なそうに顔を獅噛しかめる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)