“しか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シカ
語句割合
然29.9%
併15.5%
叱14.9%
而12.3%
確7.4%
顰7.0%
鹿3.1%
爾1.3%
蹙1.2%
仕掛0.9%
慥0.8%
賜暇0.5%
呵0.4%
皺0.3%
聢0.3%
緊0.3%
確乎0.3%
渋0.2%
如0.2%
加之0.2%
厳0.1%
仕兼0.1%
子夏0.1%
敷0.1%
若0.1%
之加0.1%
否0.1%
布0.1%
為掛0.1%
疵瑕0.1%
顰蹙0.1%
加0.1%
枝柯0.1%
仕換0.1%
史家0.1%
師家0.1%
強0.1%
獅噛0.1%
詩歌0.1%
雌花0.0%
叱咤0.0%
叱責0.0%
士家0.0%
枝花0.0%
知客0.0%
仕懸0.0%
仕替0.0%
喝0.0%
嚬0.0%
四箇0.0%
子華0.0%
實0.0%
志珂0.0%
慥乎0.0%
教唆0.0%
歯窠0.0%
為兼0.0%
獐0.0%
發端0.0%
皆然0.0%
確然0.0%
私家0.0%
糸價0.0%
詩家0.0%
謫0.0%
譴0.0%
面0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(七)舜禹(しゆんう)の間(あひだ)(八)岳牧(がくぼく)咸(みな)薦(すす)む。乃(すなは)ち之(これ)を(九)位(くらゐ)に試(こころ)み、職(しよく)を典(つかさど)らしむること數(すう)十年(ねん)、(一〇)功用(こうよう)既(すで)に興(おこ)り、然(しか)る後(のち)政(まつりごと)を授(さづ)く。
併(しか)し少年は大きな身体を不器用に丸めて、俯向いたまま、むつと口を噤んでゐた。暫くしてから、困つたやうに、筆を玩びはじめた。
傲慢な眼 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
白刃(しらは)を提(さ)げ、素槍(すやり)を構(かま)へて行(ゆ)くのである。こんなのは、やがて大叱(おほしか)られに叱(しか)られて、束(たば)にしてお取上(とりあ)げに成(な)つたが……然(さ)うであらう。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
而(しか)もその文体に於て、言葉の調子に於て、場面の動きに於て、つまり全体の「命」と「閃き」に於て、両者に格段の差があるとする。
舞台の言葉 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
聟(むこ)の勘五郎に任せましたが、金箱は確(しか)と押えて、五十文百文の出入りも、自分の手を経なければ、勝手に捌(さば)きはさせなかったのです。
今からもう、二人は、そら、顰(しか)めっ面(つら)だと、面白(おもしろ)がっている。近所の人たちを招待できるものなら招待するところだったに違いない。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
「こいづば鹿(しか)さ呉(け)でやべか。それ、鹿(しか)、来(き)て喰(け)」と嘉十(かじふ)はひとりごとのやうに言(い)つて、それをうめばちさうの白(しろ)い花(はな)の下(した)に置(お)きました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
自分が爾(しか)く思わぬことでありながら、思っているようの返事をしたり、あるいは爾(しか)く思いながらも思わぬごとき言葉を使ったりする
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
お定は顏を赤くしてチラと周圍を見たが、その儘返事もせず俯(うつむ)いて了つた。お八重は顏を蹙(しか)めて、忌々し氣に忠太を横目で見てゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして自分の好きなそのぴかぴかした赤いものにひかされて、そこへ落ちようとしかけましたが、仕掛(しか)けがしてあることを思い出しました。
雷神の珠 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
遠山殿の仰せには町方(まちかた)の事とは少々御役向(おやくむき)が違う故(ゆえ)、あの方(かた)の御一存(ごいちぞん)では慥(しか)とした事は申されぬが、何につけお上(かみ)においては御仁恵(ごじんけい)が第一。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
変装をしたって仮面をかぶったって、賜暇(しか)中のアタッシェか、近衛(このえ)の少尉か何かのようななりをしたって、だめなのです。
この目は常にをち方にのみ迷ふやうなれど、一たび人の面(おもて)に向ひては、言葉にも増して心をあらはせり。いま睨みしさまは笑(えみ)を帯びて呵(しか)りきと覚ゆ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
皺(しか)めテも左樣の毒藥にて候かと恐れし色をぞ示(しめ)したり折節(をりふし)下(した)より午飯の案内(あんない)に半兵衞は暫(しば)し頼みまする緩々(ゆる/\)見物せられよと寶澤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
芳賀博士の攷証本にも聢(しか)と出ておらぬ、多分インドで出来たのでなく江乙の語に拠って支那で作られたものかと思う。
貴婦人は差し向けたる手を緊(しか)と据ゑて、目を拭(ぬぐ)ふ間も忙(せはし)く、なほ心を留めて望みけるに、枝葉(えだは)の遮(さへぎ)りてとかくに思ふままならず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
容子(ようす)から見(み)れば近村(きんそん)ではあるが何處(どこ)とも確乎(しか)とは知(し)れない天秤商人(てんびんあきうど)からそれを求(もと)めた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それが一月の末時分から口や鼻のまわりから頭髪(あたま)に小(ち)さい腫物(ふきでもの)のようなものが出来て来たからまた医者に行って見てもらうと医者は、顔を渋(しか)めて
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
未落語家三遊亭圓朝氏が人情話(にんじょうばなし)の巧に世態を穿ち妙に人情を尽せるに如(しか)ず、其の人の感情を動す頗る優劣ありと言(いわ)んとす、嗚呼(あゝ)圓朝氏をして欧米文明の国に生れしめば、其の意匠の優れたる
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
加之(しか)も此無名の豪傑は薩(さつ)の元老であらうの長(ちやう)の先輩であらうの或は在野の領袖(りやうしう)某(なにがし)であらうの甚しきは前将軍であらうのと
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
「なに、千円をくれる。そんな物は貰ふわけに往(ゆ)かない。」裁判官はわざわざ取つておきの厳(しか)つべらしい顔をして言つた。
身(み)に附(つ)けて居(を)れば遺失(おと)しさうだ、——と云(い)つて、袖(そで)でも、袂(たもと)でも、恁(か)う、うか/\だと掏(す)られも仕兼(しか)ねない。……
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
第一の学而篇は、孔子の語を八章、孔子と子貢(しこう)との問答を一章、有子(ゆうし)の語を三章、曾子(そうし)の語を二章、子夏(しか)の語を一章、子貢と子禽(しきん)の問答を一章集めたものである。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
『お前が出抜(だしぬけ)に入って来たので、私は誰(だれ)かと思った。おゝ喫驚(びっくり)した。』と直(す)ぐ床を敷(しか)して休んで了(しま)いました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
色は浅黒く、髪の毛には波を打ったような癖が目立って、若(しか)も生端(はえぎわ)薄く、それを無造作に何時(いつ)も櫛巻きにしていた。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
成るほど藻西太郎は其妻にほだされて伯父を殺すの事情充分あり「之加(しか)も自ら殺せしと白状したり」愈々(いよ/\)彼れが殺せしとすれば成るほど其疑を免るゝ奇策として我名を記(しる)すの外なきなり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
何となれば二学士は行為なき、人物なきの小説を作れと言ふものと一般なればなり。否(しか)らざれば二氏は木偶泥塑を以ツて完全なる小説を作れと命ずる者と一般なり。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
是も又梓(あづさ)にして世に布(しか)んとせられしが、故(ゆゑ)ありていまだ不果(はたさず)。
そして話を為掛(しか)けてあるのを忘れたか、それとも跡を話したくなくなつたかと思はれる様子をしてゐる。そこで話の結末が聞きたいと云つて催促して見た。
名作中こゝかしこに稍〻過ぎたりと見ゆる節あるをば、その作者の一時の出來心と看做(みな)して、恕(ゆる)すこともあるべけれど、その疵瑕(しか)は遂に疵瑕たることを免るべからず。
が、今にも頭が堪へ難い程重くなつてズクズク疼(うづ)き出す様な気がして、渠は痛くもならぬ中から顔を顰蹙(しか)めた。そして、下唇を噛み乍らまた書出した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
衣服まで悉(ことごと)く男生(だんせい)の如くに装(よそお)い、加(しか)も学校へは女生と伴(ともの)うて通いにき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
Lot 鬮(くじ)、命、柵、人集(じんしゅう)、Tin 錫(すず)、鉄板、貨幣、State 形勢、大臣、国家、Branch 枝柯(しか)、学派、血統、Arm 腕、力、鎧(よろい)、Type 活字、記号、病候(びょうこう)、Lime 石灰
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)
わがころも夜具(やぐ)に仕換(しか)へてつつましく掻(か)い寝(いね)てけり月夜(つくよ)夜ざくら
桜 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
このことについて、後の史家(しか)は、信雄の軽率と、その心事を、嘲笑的(ちょうしょうてき)に書いている。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
師家(しか)を追はれたのではなく脚気(かつけ)の気味で帰つてゐるのだとか、Yは病気にもかかはらず、いつも熱心に画の勉強をしてゐるといふ近所の少年たちの評判なので
最も早熟な一例 (新字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
賢なる彼女は、養母の教えを強(しか)と心に秘めていたが、間もなく時の総理大臣伊藤博文侯が奴の後立てであることが公然にされた。彼女はもう全く恐(こわ)いものはなしの天下になったのである。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
と切なそうに顔を獅噛(しか)める。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
但(たゞ)、夫丈(それだけ)の事を語(かた)る為(ため)に、急用として、わざ/\三千代を呼んだ所が、玩具(おもちや)の詩歌(しか)に類してゐた。けれども、三千代は固より、斯う云ふ意味での俗を離れた急用を理解し得る女であつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
このように、一株(かぶ)上に雄花(ゆうか)と雌花(しか)とを持っている植物を、植物学上では一家花(かか)植物と呼んでいる。すなわち雌雄同株(しゆうどうしゅ)植物である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
茎(くき)の上部に分枝(ぶんし)し、さらに小梗(しょうこう)に分かれて紅色(こうしょく)の美花(びか)を着(つ)け垂(た)れているが、その花には雄花(ゆうか)と雌花(しか)とが雑居(ざっきょ)して咲いており、雄花(ゆうか)は花中(かちゅう)に黄色の葯(やく)を球形に集めた雄蕊(ゆうずい)があり
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と例の大声で罵(ののし)るのが手に取るように聞えた。村長は驚いて誰が叱咤(しか)られるのかとそのまま足を停(とど)めて聞耳を聳(た)てていると、内から老僕倉蔵がそっと出て来た。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「お嬢様が叱咤(しか)られているのだ」
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ト熱気(やっき)として自ら叱責(しか)ッて、お勢の貌(かお)を視るまでは外出(そとで)などを做(し)たく無いが、故意(わざ)と意地悪く
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
これは自(みずか)ら叱責(しか)ったので。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
経久強(し)ひてとどめ給ふとも、旧(ひさ)しき交(まじは)りを思はば、私(ひそか)に商鞅叔座が信(まこと)をつくすべきに、只一三八栄利(えいり)にのみ走りて一三九士家(しか)の風(ふう)なきは、即(すなは)ち尼子の家風(かふう)なるべし。
一〇伴(ともな)ひに後(おく)れしよしにて一宿(ひとよ)を求めらるるに、一一士家(しか)の風(ふう)ありて卑(いや)しからぬと見しままに、逗(とど)めまゐらせしに、其の夜一二邪熱(じやねつ)劇(はなはだ)しく、起臥(おきふし)も自(みづか)らはまかせられぬを
が、一枝花(しか)の蔡慶(さいけい)も、兄の蔡福(さいふく)も、全然これを、意識的に見のがしていた傾向がある。——さきに梁山泊の密使柴進(さいしん)から沙金(さきん)千両をもらっていた礼心(れいごころ)でもあったろうか?
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いかにも一枝花(しか)の蔡慶だが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正面には長老、首座(しゅそ)、以下順に東西二列となって、紫金紅金(しきんこうきん)の袈裟(けさ)光りもまばゆく立ち流れて見えたのは、維那(いの)、侍者(じしゃ)、監寺(かんす)、都寺(つうす)、知客(しか)、書記らの役僧たちか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「第一人相もよろしくない。どことなく凄味(すごみ)がある。また、知客(しか)が迎えたとき、禅家の作法もよくわきまえぬものか、たずさえている香具(こうぐ)、座具(ざぐ)、袈裟(けさ)などの使い方にも、まごまごしおった」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この大爆発を仕懸(しか)けて、江戸昌はどうするつもりだったろう」と私は帆村に訊ねた。
獏鸚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ついシャツを仕替(しか)える時それだけ忘れてしまって……」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
と喝(しか)って
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「私共はまだまだ。今週の土曜日まででなくちゃ。どうも厭(いや)になっちまいますよ」とちょっと顔を嚬(しか)める。蚊群(ぶんぐん)は襲うて来る、汗は流れる。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)
更に近くは、四箇(しか)の内に移住して来た与那国(ヨナクニ)島の出稼人は、小さな与那国おほんを設けて居る。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
子華(しか)が先師の使者として斉(せい)に行った。彼の友人の冉(ぜん)先生が、留守居の母のために飯米を先師に乞うた。先師はいわれた。——
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
大く彫(ほつ)て居ました又大岡殿梅が死體の證據(しようこ)は何じや憑司之は實(しか)とした證據は存(ぞん)じませぬと云ふにぞ越前守殿早我は娘の事目的(めあて)ありやと仰さるれはお早ハイ現在(げんざい)の一人娘何見違へませう姿(すがた)着類(きもの)と云ひ聊か相違(さうゐ)御座りませんと云へば大岡殿コリヤ早其方が娘の體(からだ)に疵(きず)はないかお早一向に御座りませぬと答るに實固(しかと)さうかと期を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「年魚市潟潮干にけらし知多(ちた)の浦に朝榜(こ)ぐ舟も沖に寄る見ゆ」(巻七・一一六三)「可之布江(かしふえ)に鶴鳴きわたる志珂(しか)の浦に沖つ白浪立ちし来らしも」(巻十五・三六五四)など類想の歌が多い。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「汝(わり)ゃ乞食(ほいと)か盗賊(ぬすっと)か畜生か。よくも汝(われ)が餓鬼どもさ教唆(しか)けて他人(ひと)の畑こと踏み荒したな。殴(う)ちのめしてくれずに。来(こ)」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
肋骨と胸骨とをつなぐ軟骨は、黄色い角で出来ていて、拵え作った骸骨の軟骨と全く同じように見えた。下顎は動き、歯も事実歯窠(しか)の中で動くかのように見えた。
それから韃靼人(だつたんじん)が一人ゐる。狡猾で、随分裏切りも為兼(しか)ねない男だが、その狡猾なところを利用すれば、有用な人物にもなりさうである。
(視(み)よ、わが愛する者の姿みゆ。視よ、山をとび、丘(おか)を躍(おど)りこえ来る。わが愛する者は獐(しか)のごとく、また小鹿のごとし)
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
サン 此方(こち)の非分(ひぶん)にならぬやうに、先方(むかう)から發端(しか)けさせい。
凡(す)べてのカアル皆然(しか)りとは言われないが、カアルの初期は、雪が横一文字に堆(うずたか)くなっているに過ぎないが、その両端の垂下力が遅く、中央が速いためか、第二期には三日月形に歪み
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
以て私しへ仰せ聞(きけ)らるゝやと申立るを越前守殿聞(きか)れ默(だま)れ長庵其砌(みぎ)りは確然(しか)とした證據人の無(なか)りし故なり此度は其節(せつ)の證據人と對決申し付る間其時有無(うむ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一度(いちど)は綿と交易してつぎの替引の材料となし、一度は銭と交易して世帯の一分(いちぶ)を助け、非常の勉強に非ざれば、この際に一反を余(あま)して私家(しか)の用に供するを得ず。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
爲替相場(かはせさうば)の騰貴(とうき)にも拘(かゝは)らず糸價(しか)却(かへつ)て騰貴(とうき)し賣行(うれゆき)又(また)良好(りやうかう)なりしに米國證劵市場(べいこくしようけんしぢやう)の不安定(ふあんてい)の爲(た)め糸價(しか)下落(げらく)したるは我國(わがくに)生糸貿易(きいとぼうえき)の爲(た)め非常(ひじやう)に遺憾(ゐかん)とする處(ところ)である。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
こは実に設題して歌を造る歌人の悪風と共に日東の陋習なり。彼等をして造詩家たらしむるも、詩人たらしめざるもの茲(こゝ)に存す。彼等をして作調家たらしむるも、入神(じゆしん)詩家(しか)たらしめざる者、茲に存す。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
高祖保よ 擦(おさ)へよ 揚るべからず 訾(はか)つて 謫(しか)るべからず矣……
雪 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
「へい。ですが、こないだ腫(むく)んでた皮を赤剥けにして、親方に譴(しか)られましたもの……」と渋くったが、見ると、お上さんは目を真赤に泣き腫(は)らしているので、小僧は何と思ったか
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
お房が周三のモデルになつて、彼の畫室(ぐわしつ)のモデル臺(だい)に立つやうになツてから、もう五週間(しうかん)ばかりになる。面(しか)も製作(せいさく)は遲々(ちゝ)として一向(かう)に捗取(はかど)らぬ。辛面(やツと)影(かげ)とひなたが出來た位(くらゐ)のところである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)