“しかけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シカケ
語句割合
仕掛50.0%
裲襠13.9%
仕懸6.9%
装置6.9%
5.6%
4.2%
為掛1.4%
転機1.4%
機構1.4%
1.4%
裝置1.4%
襠掛1.4%
襠裲1.4%
設計1.4%
釣具1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
えんから足をぶらさげれば、すぐとかかとこけに着く。道理こそ昨夕は楷子段はしごだんをむやみにのぼったり、くだったり、仕掛しかけうちと思ったはずだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どの店にも大きな人形を飾ってあるじゃないか、赤い裲襠しかけを着た姐様ねえさんもあれば、向う顱巻はちまきをした道化もあるし、牛若もあれば、弥次郎兵衛やじろべえもある。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戦争と名のつくものゝ多くは古来から大抵んなものかも知れないが、ことに今度の戦争は、その仕懸しかけの空前に大袈裟おほげさだけ
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
竹の寸法、縄の巻き方、飯蓋めしぶた、風呂敷の装置しかけ等は、必ずしも前述の法式によらざるも、適宜に執り行ってしかるべし。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
あかしかけをきた人形にんぎやうは、しろ手拭てぬぐひのしたにくろひとみをみひらいて、とほくきたたびをおもひやるやうにかほをふりあげました。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
うち沈みたるねび聲にしかけのおもり、おとひねて
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
父はしきりにその三稜鏡をいぢつてゐたが、特別に為掛しかけも無く、からくりも見つからない。しかしそれで太陽をすかして見ると、なるほど七りようの光があらはれる。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
それであるから、兄が十五になつて、若者仲間に入つてから間もなく、大雪が降つてそれの固まつた或る晩に、さけの頭に爆発する為掛しかけをして、きつねぴきを殺した。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
此蹴綱に転機しかけあり、まつたつくりをはりてのち、穴にのぞんで玉蜀烟艸たうがらしたばこくきのるゐくまにくむ物をたき、しきりにあふぎけふりを穴に入るれば熊烟りにむせて大にいか
穴を飛出る時かならずかの蹴綱けづなふるれば転機しかけにてたなおちて熊大石の下にす。
津村は人間最高の智力と、意力によって計画された「完全な犯罪」の機構しかけの中からフラフラと洩れ出した無力な人形ではなかったろうか……何時、何処へ行って、ドンナ事を始めるかわからない……。
花魁おいらんしかけにも客の小袖にも。新流行の奔放な色と模様とがあつた。店清掻みせすががきの賑かさ、河東、薗八のしめやかさ。これを今日の吉原に見る事は出来ぬ。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
しかして時辰儀じしんぎにては、その裝置しかけの輪𢌞めぐるにあたり、これに心をとむる人に、初めの輪しづまりて終りの輪飛ぶと見ゆるごとく 一三—一五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それだけの事なら何処に他奇があろうぞと云われるだろうが、その時、或は、お筆が狂ったのではないかとも思われたのは、彼女があろう事かあるまい事か、襠掛しかけを羽織っているからだった。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
其の紅粉は俳優の舞台に出るが如く其帯は遊女の襠裲しかけの如く其羽織は芸者の長襦袢よりもハデなり。夜店の蒔絵九谷と相映じて現代的絢爛の色彩下手な油画の如し。杖に倚って佇立たたづむ事須臾すゆなり。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
落ちたら出る事ならぬおとしあなや木葉にもち塗りて虎にねばりつき狂うてついに眼が見えぬに至らしむる設計しかけ等あるが、欧人インドで虎を狩るには銃を揃え象に乗って撃つのだ。
漁史の動悸は、一秒毎に高まり来り、嬉しいには相違なきも、危惧の念亦一層強く、たとえ十分信頼せる釣具しかけにせよ、首尾よく挙げ得るや否やを、気遣うことも頻りなり。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)