装置しかけ)” の例文
旧字:裝置
二つの大鐘の上に小鐘が八つあって、綱を引くと最初に小鐘が鳴り、続いて大鐘に及んで行く装置しかけになっているのです。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
竹の寸法、縄の巻き方、飯蓋めしぶた、風呂敷の装置しかけ等は、必ずしも前述の法式によらざるも、適宜に執り行ってしかるべし。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
其日昼過ぐる頃、弟は学校より帰り来りて、おのれが釣竿、装置しかけなど検めゐしが、見おぼえぬ竿のあるを見出して、は兄上の新にひ給ひしにやと問ふ。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
時とはな、我々の頭の中の一つの装置しかけじゃわい
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
参詣のものを除きここの人々のみにて百人に近しといえば、まことにもあるべきことなるが、水をば今は新らしき装置しかけもて絶ゆるひまなく汲み上ぐるという。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我等にも是の如き竿と装置しかけとだにあらば、やはか兄上に劣るべきと、喞言がましく云ひ罵る。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かくては明日の釣りに兄上最も多く魚を獲給ふべし、我等は遠く及ぶべからず、されどは兄上の釣り給ふこと我等より巧みなるがためにはあらず、竿の力、装置しかけの力の為ならんのみ
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)