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装上
其の
肩越に、
田のへりを、
雪が
装上るやうに、
且つ
雫さへしと/\と……
此の
時判然と
見えたのは、
咲きむらがつた
真白な
卯の
花である。
水に
迸る
勢に、水槽を
装上って、そこから百条の
簾を乱して、溝を走って、
路傍の草を、さらさらと鳴して
行く。
前年その長屋の表町に道普請があって、向側へ砂利を
装上げたから、この町を通る腕車荷車は
不残路地口の際を
曳いて通ることがあった。
黙っていろよ、何んにも言うな、きっと誰にも
饒舌るでねえぞ、と言い続けて、
内へ帰って、
納戸を
閉切って暗くして、お
仏壇の前へ
筵を敷いて、
其処へざくざくと
装上げた。