“雫”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しずく75.1%
しづく21.9%
こぼ0.6%
しず0.6%
しづ0.6%
つゆ0.3%
びっしょり0.3%
シズク0.3%
シヅク0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“雫”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.5%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
鉛色なまりいろの谷窪の天地に木々はがさのように重くすぼまって、白いしずくをふしだらに垂らしていた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
じかに置いたらしい蓋のしずくで、畳が損ぜられやしないか? ひやりとした懸念を押しのけて、逸子におかしさがこみ上げた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そこで子鶉は、はら/\と涙を流しました。そのしづくは丁度秋の野の黄色い草に置く露のやうに、籠にこごりつきました。
孝行鶉の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
あかのみづしづくならで、桔梗ききやうつゆ置添おきそへつ、うきなみおもふならずや。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
老いたる侍 只今其方そちの母御はな……え、思ふだに涙がこぼれるわ……其方の不孝をう、怨み、怨み死にに死んでおぢやつたのぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
で、よくよく座敷の中をしらべてみると、その座敷の隅々すみずみ四隅よすみところに、素麪そうめんとお茶が少しずつ、こぼしたように置いてあった。
□本居士 (新字新仮名) / 本田親二(著)
久しくそれは聞いたこともなかったものだというよりも、もう二度とそんな気持を覚えそうもない、夕ごころに似た優しい情感で、温まっては滴り落ちるしずくのような音である。
洋灯 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「それはそれは! お前さまはまったく御親切なお方じゃ!」プリューシキンは喜びのあまり、鼻の孔から嗅煙草のかすが、まるで濃い珈琲のしずくみたいに甚だ不体裁に、にょろりと覗いたことも、また部屋着の前がはだけて、ちょっと見るのも憚られるような下着が顔を出したことも気がつかずに、喚きたてた。
しゆ蝋涙ろふるい毒杯どくはいむらさきみだし照りしづく。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
梨のしづく切口、
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「お前の今宵の艶やかさは——その眉は、星月夜の空に飛んだ流れ星のやうな風韻を含んでゐる。その眉の下にうつとりと見開いてゐる瞳は神潭しんたんつゆを宿して、虹の影が瞬いてゐる。」
夜の奇蹟 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
いよいよ林檎畠の隅へ追い詰められて、樹と樹との間へ御身体がはさまって了って、もう絶体絶命という時に御目が覚めて見れば——寝汗は御かきなさる、枕紙はれる、御寝衣おねまきはまるでびっしょりになっておったということでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
シズクの雨がそぼ降る日、なきがらを納めた白木の棺はしづ/\と緑ふかい高台の墓地へと運ばれました。
手紙 (新字旧仮名) / 知里幸恵(著)
した/\と、岩伝イハヅタシヅクの音。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)