“一雫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとしずく87.0%
ひとしづく13.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ一雫ひとしずくの露となって、さかさに落ちて吸わりょうと、蕩然とろりとすると、痛い、いたい、痛い、疼いッ。肩のつけもとを棒切ぼうぎれで、砂越しに突挫つきくじいた。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なにも礼を言われたいために危険をおかして来たのではないけれども、人の情に対する感謝の美しい一雫ひとしずくを見たいものと思わないではなかったのに、この人は
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一體いつたいみづふものは、一雫ひとしづくなかにも河童かつぱ一個ひとつむとくにりますくらゐ、氣心きごころれないものです。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
他でもない、波斯では未亡人ごけさんといふ未亡人ごけさんは、亭主に死別れてからは、毎日々々涙を一雫ひとしづくこぼさないやうに小瓶に溜めておいて、それが二本溜まると、喪をめる事になつてゐるからだ。