“ひとしずく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一雫74.1%
一滴25.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
純白なものに一雫ひとしずく印気インキでも容赦ようしゃなく振り掛けるのは、私にとって大変な苦痛だったのだと解釈して下さい。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし、その不安は、すでに現在のようになっているわたくしの身や心のものに取っては、吸物の汁に忍ばせる酢の一雫ひとしずくであり、眼隈に添える墨の一掃毛であります。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
と、熊楠は、十方の山脈をふと見わたして、一滴ひとしずく、侍の道のさびしさを、大きなよろこびの後の睫毛まつげにたたえた。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相変らずの油照あぶらでり、手も顔もうひりひりする。残少なの水も一滴残さず飲干して了った。かわいて渇いて耐えられぬので、一滴ひとしずく甞めるつもりで、おもわずガブリと皆飲んだのだ。