“河童”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっぱ79.3%
かつぱ15.2%
がたろ1.2%
カッパ1.2%
かしゃんぼ0.6%
かわたろ0.6%
かわらべ0.6%
カハワロ0.6%
ニツケルマン0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは可愛らしい、お河童かっぱさんの人形であった。丸裸体まるはだかのまま……どこをみつめているかわからないまま……ニッコリと笑っていた。
微笑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「あの人の目はきよろ/\してをつて、をかしいやうだ」とか、「河童かつぱのやうに、何であんなに髮の毛を延ばしてをるんだろ」
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
銭湯日の丸湯と理髪店朝日軒の間のせまくるしい路地を突き当ったところの空地を凵の字に囲んで、七軒長屋があり、河童がたろ路地という。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
彼らは江戸をたつころは河童カッパ隊と自称していたそうだが、奥州へ来て、妙なことに気がついた。河童の神通力には北限があるのである。
予の現住地田辺町と同郡中ながら、予など二日歩いてわずかに達し得る和深わぶか村大字里川辺の里伝に、河童かしゃんぼしばしば馬を岩崖等の上に追い往き、ちょうど右の談のような難儀に逢わせるという。
河童かわたろの恋する宿や夏の月
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
中部地方では河童かわらべの系統でカワランベ、カラランベというのが多く、九州では少し発音を違えてガラッパ、またはカワッパ、カワトノなどと呼ぶ所が多い。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
世間に言ふとほり、一口に河童として、混雑を避けて来たが、所謂河童カハワロと謂うた姿の河太郎・河童の姿を、標準と見做しておいた。だが其外に、河童と言ふに不適当な姿をしたものがあるのである。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
牛頭アービスが、象が、山彦の精エコウが、馬が、河童ニツケルマンが、風の神ゼフアラスが、人形使ひピグメーリアンが、蝶々の精サイキが、ダイアナがおかめと手を携へて往き、閑古鳥をさゝげた白鳥の精レーダが笛を鳴らし
バラルダ物語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)