明治開化 安吾捕物めいじかいか あんごとりもの09 その八 時計館の秘密09 そのはち とけいかんのひみつ
生れつき大そう間のわるい人間というものがいるものだ。梶原正二郎という若い御家人がそれだった。そのとき彼は二十二だ。親父が死んで野辺の送りをすませたという晩に、 「今晩は。たのもう。どうれ」 両方分の挨拶にオマケをつけて大声で喚きながらドヤド …
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