明治開化 安吾捕物めいじかいか あんごとりもの18 その十七 狼大明神18 そのじゅうしち おおかみだいみょうじん
庭の片隅にオイナリ様があった。母が信心していたのである。母が生きていたころは、風雨に拘らず朝夕必ず拝んでいた。外出して夜更けに帰宅することがあっても、家人への挨拶もそこそこに、オイナリ様を拝んでくるのが例であった。朝夕の参拝を果さぬうちは、 …
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