明治十六年一月のことである。東京の木工船会社で新造した百八十トンの機帆船昇龍丸が試運転をかねて濠洲に初航海した。日本の国名も聞きなれぬ当時のことで、非常に珍しがられて、港々に盛大なモテナシをうけた。そのとき、木曜島近海の暗礁にのりあげて船体 …
著者 | 坂口安吾 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「小説新潮 第五巻第四号」1951(昭和26)年3月1日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約50分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間24分(300文字/分) |
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