“憂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
う44.0%
うれ26.9%
うれい14.3%
うれひ4.5%
うき2.1%
うさ2.1%
ゆう1.0%
うれえ0.7%
つら0.7%
うれう0.7%
うれた0.7%
うりょ0.5%
うれへ0.5%
うく0.2%
うるわ0.2%
やつ0.2%
ウ0.2%
ウレ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その驚き方は、長男の庄次郎が板新道(いたじんみち)の女に憂(う)き身(み)をやつしているのを発見した時の場合などとは、比較にならないほど大きかった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太子はかの未曾有(みぞう)の日に、外来の危機を憂(うれ)い、また血族の煩悩(ぼんのう)や争闘にまみれ行く姿を御覧になって捨身を念じられたのであったが
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
一歩は高く一歩は低くと来らア。何でも家がぐらぐらして地面が波打って居やがらア。ゲー酒は百薬の長、憂(うれい)の玉箒(たまぼうき)、ナンテ来らア。
煩悶 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
遊佐は実にこの人にあらず、又この覚悟とても有らざるを、奇禍に罹(かか)れる哉(かな)と、彼は人の為ながら常にこの憂(うれひ)を解く能(あた)はざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お通は止(や)むなく死力を出して、瞬時伝内とすまいしが、風にも堪えざるかよわき婦人(おんな)の、憂(うき)にやせたる身をもって、いかで健腕に敵し得べき。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その故に彼は外に出でて憂(うさ)を霽(はら)すに忙(いそがはし)きにあらずや。されども彼の忘れず塒(ねぐら)に帰り来(きた)るは、又この妻の美き顔を見んが為のみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかるにいっこう長閑そうになく、憂(ゆう)うつらしいようすをした、浪人者らしい二人の武士が、京都のほうへ歩いていた。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
故に世上有志(ゆうし)の士君子(しくんし)が、その郷里の事態を憂(うれえ)てこれが処置を工夫(くふう)するときに当り、この小冊子もまた、或は考案の一助たるべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
無かろうもんならまた何時(いつう)かのような憂(つら)い思いをしなくッちゃアならないやアネ……だから私(あたし)が言わない事(こっ)ちゃアないんだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
喜憂栄辱は常に心事に従(したがっ)て変化するものにして、その大(おおい)に変ずるに至(いたっ)ては、昨日の栄(えい)として喜びしものも、今日は辱(じょく)としてこれを憂(うれう)ることあり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
峯々に雲がかかっているときは、翁は憂(うれた)げな眼を伏せてはまた開いて眺めた。藍墨の曇りの掃毛目(はけめ)の見える大空から雲は剥(はが)れてまくれ立った。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
慈恩の笄でございます、母性愛の光でございます、子を憂(うりょ)うる孫兵衛の母が、いまわの際(きわ)の意見を縫いつけた呪縛(じゅばく)の針でございます。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同時に又あらゆるクリストの弟子たちは「いたく憂(うれへ)て死ぬばかり」な彼の心もちを理解せずに橄欖の下に眠つてゐる。…………
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
引しぼる程苦勞(くらう)が彌増(いやまし)今迄兄の長庵へ娘二人に逢(あは)してと逼(せま)りて居たる折柄(をりから)成(なれ)ば此酒盛に立交(たちまじ)りて居るも物憂(うく)思ふ物から其場を外して二階に上れば折こそ宜(よし)と長庵は二人が耳に口を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そうして、いずれも云い合したように、眉(まゆ)に深い皺(しわ)を寄せて、憂(うるわ)しげな様子を示していました。何とも云えない重苦しい空気が、部屋全体に漲(みなぎ)っているのでした。
計略二重戦:少年密偵 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
又右衛門は、憂(やつ)れ顔でうなずき
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それでこれは「きよけく」と訓すればよいのであります。「好(ヨ)けく」「無けく」「憂(ウ)けく」など形容詞の語尾の「け」は皆「ケ」の甲類の仮名を用いています。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
百忍(ニン)自ラ憂(ウレ)イナシ、としていた。彼は彼みずから
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)