“憂(つら)” の例文
無かろうもんならまた何時(いつう)かのような憂(つら)い思いをしなくッちゃアならないやアネ……だから私(あたし)が言わない事(こっ)ちゃアないんだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
賣(うる)やと容子を尋ねけるに親十兵衞が云々(しか/″\)にて年貢のお金に差支(さしつか)へ據(よんど)ころなく身を賣(うる)時宜(しぎ)なれば何卒お抱(かゝ)へ下されたく如何樣(いかやう)の憂(つら)ひ悲(かな)しひ事成とも御主人大事御客樣(きやくさま)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この席に連なッているのをむしろ憂(つら)いことと思ッているらしく、話もせず、人から物を言いかけられると、言葉少なに答えをするばかり、始終下を向いていた,がその風はいかにも柔和でしとやかで
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
消(けす)まじと馴(なれ)もせぬ江戸の夜道は野山より結句(けつく)淋(さび)しく思はれて進まぬ足を蹈(ふみ)しめ/\黒白(あやめ)も分(わか)ぬ眞(しん)の闇(やみ)辿(たど)りながらも思ふ樣貧(まづ)しき中にも手風(てかぜ)も當ず是迄育(そだ)てし娘お文を浮川竹に身を沈(しづ)め憂(つら)ひ勤(つと)めを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)