“憂愁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうしゅう31.6%
いうしう23.7%
うれひ13.2%
うれい10.5%
トスカ7.9%
うれえ2.6%
うしう2.6%
ものおもい2.6%
ゆうしゆう2.6%
わづらひ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悟空には、嚇怒かくどはあっても苦悩はない。歓喜はあっても憂愁ゆうしゅうはない。彼が単純にこの生を肯定こうていできるのになんの不思議もない。
憂欝いううつの色が見えるんですもの、そりや梅子さん貴嬢ばかりぢやない、誰でも、としと共に苦労も増すにきまつて居ますがネ、だ私、貴嬢の色に見ゆる憂愁いうしうの底には
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
敬之進のことは一時いつときもお志保の小な胸を離れないらしい。柔嫩やはらか黒眸くろひとみの底には深い憂愁うれひのひかりを帯びて、頬もあか泣腫なきはれたやうに見える。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
今日は十一月四日、打続いての快晴で空は余残なごりなく晴渡ッてはいるが、憂愁うれいある身の心は曇る。文三は朝から一室ひとま垂籠たれこめて、独り屈托くったくこうべましていた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
憂愁トスカがくつついてゐるのだ
諷刺大学生 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
すなわち汝憂愁うれえを忘れん……汝の生きながらうる日は真昼よりも輝かん……汝は何にも恐れさせらるる事なくして伏し休まん……
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
経を考ふるに云はく、し国土に講宣かうせん読誦どくじゆ恭敬くぎやう供養くやうして此の経を流通るつうせるきみ有らば、我等が四王常に来りて擁護ゆごし、一切の灾障さいさうみな消殄せうでんせしめむ。憂愁うしう疫疾やくしつまた除きいやさしめむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
御庭の夏を眺めながら憂愁ものおもいに沈んでおいでなさることもあり、又、日によっては直に御二階へ御上りになって、御飯の時よりほかには下りておいでなさらないこともありました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
憂愁ゆうしゆうを風は葉並に囁きぬ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
憂愁わづらひのかげのふかみに
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)