“余残”の読み方と例文
読み方割合
なごり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一つ、別に、この畷を挟んで、大なる潟がいたように、刈田を沈め、かいつぶりを浮かせたのは一昨日のの暴風雨の余残なごりと聞いた。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仰向あおむい蒼空あおぞらには、余残なごりの色も何時しか消えせて、今は一面の青海原、星さえ所斑ところまだらきらめでてんと交睫まばたきをするような真似まねをしている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
茶屋揚屋あげやの軒に余って、土足の泥波を店へどっと……津波の余残なごりは太左衛門橋、戒橋えびすばし相生橋あいおいばしあふれかかり、畳屋町、笠屋町、玉屋町を横筋に渦巻き落ちる。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)