“結句”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けっく63.9%
けつく25.0%
あげく5.6%
けツく2.8%
つまり2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人此方こなたに並んでせり。結句けっくこの方が嬢の顔を見られて都合好しと大原はあながちにくやまず。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
うちぢやお姉さんが早う死んだし、勝も長生きをせんやうに思はれるけれど、女子をなごは婆さんになるまで生きて居らん方が結句けつく仕合せなやうに思はれる。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
奥方は罵り罵りお菊をさいなんだ結句あげく主膳のへや引摺ひきずって往った。濃いつやつやしたお菊の髪はこわれてばらばらになっていた。お菊は肩を波打たせて苦しんでいた。
皿屋敷 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
戸外おもてへはちかうござんすが、なつひろはう結句けツくうございませう、わたくしどもは納戸なんどせりますから、貴僧あなた此処こゝへおひろくおくつろぎがうござんす、一寸ちよいとつて。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
結句つまりは親子三匹して、命をすつるに異ならねば、これ貞に似て貞にあらず、まことの犬死とはこの事なり。かくと心に思ひしかば、忍びがたき処を忍び、こらえがたきをようやく堪えて、見在みすみす雄を殺せしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)