トップ
>
結句
>
けっく
ふりがな文庫
“
結句
(
けっく
)” の例文
さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人
此方
(
こなた
)
に並んで
坐
(
ざ
)
せり。
結句
(
けっく
)
この方が嬢の顔を見られて都合好しと大原は
強
(
あなが
)
ちに
悔
(
くや
)
まず。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「こうなってみりゃ、
結句
(
けっく
)
おれも気楽にお仲間入りができるというもの。どれ、焼け出されの秦野屋から、お先に御免こうむろうか」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やって居るより、あの方が性に合って、いくら好いか知れやしない。今じゃ大分身入りもあるようだし、
結句
(
けっく
)
奴さんは仕合わせさ。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
次に「梅かをる朝」といふ
結句
(
けっく
)
は一句としての言ひ現はし方も面白からず、全体の調子の上よりこの句への続き工合も面白からず。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
自分はこの道を
覚込
(
おぼえこ
)
んで女師匠に一生一人
生活
(
くらし
)
をして行く方が、
結句
(
けっく
)
気安いだろうと思ったので、遂に自分の門弟となったが
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
▼ もっと見る
「ナニ、永いことがあるものか、手鍋さげても奥山ずまいという本文通りよ、
結句
(
けっく
)
、山ん中が
面白
(
おもしろ
)
可笑
(
おかし
)
くていいじゃねえか」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
漸く話のわかって来た友達を失うと云う事は嬉しい事ではないので
結句
(
けっく
)
その方が
流
(
なが
)
し元まで響き渡ってよかったのである。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「私のためには
結句
(
けっく
)
幸い。何んとそうではございませぬかな」彼はそろそろと手を延ばして山吹の方へ近寄って行く。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
子供のない奥さんは、そういう世話を焼くのがかえって
退屈凌
(
たいくつしの
)
ぎになって、
結句
(
けっく
)
身体
(
からだ
)
の薬だぐらいの事をいっていた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一種風変りな性質の彼は、その孤独を
結句
(
けっく
)
喜んで、後妻を迎えようともせず、数人の召使と共に、広い洋風邸宅に、
滅入
(
めい
)
った様な陰気な日々を送っていた。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
雪之丞が、
間遠
(
まどお
)
に見て、歯を噛んでいるうちに、又もや、斬り抜けた闇太郎、
結句
(
けっく
)
、またも、多勢にかこまれて、身じろぎに、不自由を覚えて来た
容子
(
ようす
)
——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「そうでもないわ。初めッから承知で来たんだもの。芸者は掛りまけがして、借金の抜ける時がないもの。それに……身を落すなら
稼
(
かせ
)
ぎいい方が
結句
(
けっく
)
徳だもの。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
戸外
(
おもて
)
へは近うござんすが、夏は広い方が
結句
(
けっく
)
宜
(
よ
)
うございましょう、
私
(
わたし
)
どもは
納戸
(
なんど
)
へ
臥
(
ふ
)
せりますから、
貴僧
(
あなた
)
はここへお広くお
寛
(
くつろ
)
ぎがようござんす、ちょいと待って。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
葉子はしかし
結句
(
けっく
)
それをいい事にして、自分の思いにふけりながら二人に続いた。しばらく歩きなれてみると、運動ができたためか、だんだん
嘔
(
は
)
き
気
(
け
)
は感ぜぬようになった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
唐土
(
もろこし
)
から
種々
(
いろ/\
)
の
薬種
(
やくしゅ
)
が渡来いたして
居
(
お
)
るが、その薬種を医者が病気の模様に
依
(
よ
)
って
或
(
あるい
)
は
緩
(
ゆる
)
め、或は煮詰めて呑ませるというのも、
畢竟
(
ひっきょう
)
多くの病人を助ける為で、
結句
(
けっく
)
御国
(
みくに
)
の為じゃの
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やたらに水を飲んだもので、とうとう翌日に
下痢
(
げり
)
で苦しんだよ、それ故まあ、一時はおどかしてやったものの
矢張
(
やはり
)
私の方が
結句
(
けっく
)
負けたのかも知れないね。
狸問答
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
あだ討でもあるまいと——まあ二の足を踏むのが多くて、
結句
(
けっく
)
、連判の盟約を解こうと極まったわけだ
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どう致して、そのままの方が御話がしやすくて
結句
(
けっく
)
私の都合になります。ハハハハ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると隠す事程
結句
(
けっく
)
は自然と人に知れるもので、
何
(
ど
)
うも
訝
(
おか
)
しい様子だが、新吉と師匠と訳がありゃアしないかと云う噂が立つと、堅気の
家
(
うち
)
では、其の様な師匠では娘の為にならんと云って
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
併し、そこへ気づかなんだのが、
結句
(
けっく
)
よかったのかも知れない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『——あいつは倖せ者だよ、まだ疑わないのだ。
結句
(
けっく
)
、あのほうが人間は気安いなあ』
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ知らぬ人で逢い、知らぬ人でわかれるから
結句
(
けっく
)
日本橋に立って、電車の旗を振る志願者も出て来る。太公望が、久一さんの泣きそうな顔に、何らの説明をも求めなかったのは
幸
(
さいわい
)
である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
結句
(
けっく
)
、町人が気らく。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“結句”の意味
《名詞》
詩歌の最後の句。
文章をしめくくること。
《形容動詞》
とどのつまり。結局。
かえって。むしろ。
(出典:Wiktionary)
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
句
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“結”で始まる語句
結
結構
結婚
結局
結果
結城
結納
結目
結綿
結縁