うれえ)” の例文
故に世上有志ゆうし士君子しくんしが、その郷里の事態をうれえてこれが処置を工夫くふうするときに当り、この小冊子もまた、或は考案の一助たるべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
うれえ」をおもちゃにするのはおよしなさい。
今消極のうれいうれえてこれを防ぐにもせよ、積極の利をはかってこれをもとむるにもせよ、旧藩地にて有力なる人物は必ずこれを心配することならん
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
家厳かげんが力をつくして育し得たる令息は、篤実一偏、ただめいこれしたがう、この子は未だ鳥目ちょうもくの勘定だも知らずなどと、あらわうれえてそのじつは得意話の最中に
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
余輩よはい常に思うに、今の諸華族が様々の仕組をもうけて様々のことに財を費し、様々のうれいうれえて様々の奇策きさく妙計みょうけいめぐらさんよりも、むしろその財のいまむなしく消散しょうさんせざるにあたり
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)