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憂
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うさ
ふりがな文庫
“
憂
(
うさ
)” の例文
その故に彼は外に出でて
憂
(
うさ
)
を
霽
(
はら
)
すに
忙
(
いそがはし
)
きにあらずや。されども彼の忘れず
塒
(
ねぐら
)
に帰り
来
(
きた
)
るは、又この妻の美き顔を見んが為のみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今もいろいろと思い悩まされた
揚句
(
あげく
)
が、その思いだけを紙にうつすことによって、その
憂
(
うさ
)
を晴らそうとしました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
付て物語りけるにぞ夫婦は旅の
憂
(
うさ
)
をも忘れ
歩行
(
あゆみ
)
もさして
太儀
(
たいぎ
)
に非ざれば流石は若き人心
能
(
よき
)
道連
(
みちづれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
有合
(
ありあう
)
鏡台
(
きょうだい
)
抽斗
(
ひきだし
)
の、つげの小櫛もいつしかに、替り果てたる身の
憂
(
うさ
)
や、心のもつれとき櫛に、かかる
千筋
(
ちすじ
)
のおくれ髪、コハ心得ずと又取上げ、解くほどぬける
額髪
(
ひたいがみ
)
、両手に丸めて打ながめ……
暴風雨の夜
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
彼女はその助言に耳を傾け、場合によっては、ごくおとなしい小娘のように、
叱責
(
しっせき
)
を
真面目
(
まじめ
)
くさって注意深く聞いた。それは彼女にとって、
憂
(
うさ
)
晴らしでもあり、面白くもあり、支持でさえもあった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
坂は照る照る
鈴鹿
(
すずか
)
は
曇
(
くも
)
る=といい、
袷
(
あわせ
)
遣
(
や
)
りたや
足袋
(
たび
)
添えて=と唱える場合には、いずれも
疲
(
つかれ
)
を休めるのである、
無益
(
むえき
)
なものおもいを消すのである、
寧
(
むし
)
ろ苦労を
紛
(
まぎ
)
らそうとするのである、
憂
(
うさ
)
を
散
(
さん
)
じよう
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
憂
(
うさ
)
慰むるわが身なり。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
拾ひて
憂
(
うさ
)
を遣らんとも
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
謂知
(
いひし
)
らず
憥
(
うるさ
)
しと腹立たれけれど、
行懸
(
ゆきがかり
)
の是非無く、かつは
難得
(
えがた
)
き奇景の地と聞及べば、
少時
(
しばし
)
の
憂
(
うさ
)
を忘るる事も有らんと、自ら努めて結束し、かの日より
約
(
およそ
)
一週間の後
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
憂
(
うさ
)
を
散
(
さん
)
じよう、
戀
(
こひ
)
を
忘
(
わす
)
れよう、
泣音
(
なくね
)
を
忍
(
しの
)
ばうとするのである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かかる浅ましき
慍
(
いかり
)
を人に移さんは、
甚
(
はなは
)
だ
謂無
(
いはれな
)
き事なり、と自ら制して、書斎に帰りて
憖
(
なまじ
)
ひ心を傷めんより、人に対して
姑
(
しばら
)
く
憂
(
うさ
)
を忘るるに
如
(
し
)
かじと思ひければ、彼は努めて
寛
(
くつろ
)
がんとしたれども
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
憂
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“憂”を含む語句
憂慮
憂鬱
憂愁
憂鬱症
鬱憂
杞憂
憂欝
憂悶
憂鬱病
憂患
物憂
憂苦
無憂樹
憂思
憂晴
憂世
憂惧
憂事
欝憂
憂欝症
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