“行懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆきがか25.0%
ゆきかか18.8%
ゆきか18.8%
ゆきがかり12.5%
いきがか6.3%
ゆきがが6.3%
ゆきがゝ6.3%
ゆきがゝり6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行懸ゆきがかり、ことばの端、察するに頼母たのもしき紳士と思い、且つ小山をばばが目からその風采ふうさいを推して、名のある医士であるとしたらしい。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と気軽に飛出し、表門の前を足早に行懸ゆきかかれば、前途むこうより年わかき好男子の此方こなたに来懸るにはたと行逢いけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つかつかと行懸ゆきかけた与吉は、これを聞くと、あまり自分の素気そっけなかったのに気がついたか、小戻こもどりして真顔まがおで、眼を一ツしばだたいて
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勝四郎の返事には、好意はありがたいが、何分これまでの行懸ゆきがかり上単身では出向かれぬといって来た。そこで十造、勝助の二人ふたりが森田町へ迎えにくことになった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
従来の行懸いきがかりに迫られ、岩瀬肥後守、松平伊賀守の苦請に応じ、満腔徳川氏の威信を重んずるよりして、むを得ずここに至りしなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかも事の行懸ゆきががりから察し、人の語る処に因れば、この美少年は未見の知己、千破矢滝太郎に相違ない。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
玄明をかくまつた行懸ゆきがゝりばかりでは無い、自分のくびにも縄の一端はかゝつてゐるものだから、向ふの頸にも縄の一端をかづかせて頸骨の強さくらべの頸引くびひきをして
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かういふ行懸ゆきがゝりり、興世王や玄明のやうなかういふ手下、とう/\火事は大きな風にあふられて大きな燃えくさにはなはだしいほのほげるに至つた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)