“行末”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆくすえ62.9%
ゆくすゑ30.6%
ゆくえ3.2%
いくすえ3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天の成せる麗質はつぼみのままで外へ匂い透り行末ゆくすえ希代の名花に咲き誇るだろうと人々に予感を与えている噂を秦王に聞かせるものがあった。
荘子 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その得意先とくいさきの一けん橋場はしば妾宅せふたくにゐる御新造ごしんぞがおいと姿すがたを見て是非ぜひ娘分むすめぶんにして行末ゆくすゑ立派りつぱな芸者にしたてたいと云出いひだした事からである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
女は苦しい様子もなく、笑いながら、うたいながら、行末ゆくえも知らず流れを下る。余は竿をかついで、おおいおおいと呼ぶ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
漸々だんだん自分の行末いくすえまでが気にかかり、こうして東京に出て来たものの、何日いつ我がのぞみ成就じょうじゅして国へ芽出度めでたく帰れるかなどと、つまらなく悲観に陥って、月をあおぎながら、片門前かたもんぜんとおりを通って
死神 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)