“行方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆくえ72.3%
ゆくへ16.0%
ゆきがた4.2%
ゆくて1.4%
なめかた1.1%
ゆきかた1.1%
ゆくかた0.8%
なめがた0.8%
いきがた0.6%
いきかた0.3%
ぎょうりき0.3%
やりかた0.3%
ゆきさき0.3%
ゆくさき0.3%
ナメカタ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それっきり行方ゆくえ不明になって、警察にも訴え、実家の方でも血眼ちまなこになって探しているのだが、いまだに消息がわからないというのだ。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
うつつのやうに歩いて窓際によったけれども、涙は幻のやうに彼女の瞳をつゝんで、淡赤い月の行方ゆくへをお葉は見る事が出来なかった。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
しばらくのあひだまつた法廷ほふていうへしたへの大騷おほさわぎでした。福鼠ふくねずみしてしまひ、みんながふたゝ落着おちついたときまでに、料理人クツク行方ゆきがたれずなりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
文角鷲郎もろともに、彼の聴水が教へし路を、ひたすら急ぎ往くほどに、やがて山の峡間はざまに出でしが、これより路次第に嶮岨けわしく。荊棘けいきょくいやが上にひ茂りて、折々行方ゆくてさえぎり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
潮来いたこ町(昔は潮来いたこ板子いたこと書いた)は常陸行方なめかた郡の水郷で、霞ヶ浦からの水の通路北利根川にのぞみ、南は浪逆なさか浦を咫尺しせきの間に見る地である。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
歌麿の絵を眺めて「彫塑の行方ゆきかたと似た行方ゆきかたをして居る」と評し、又荻原君に対する批評を繰返して「彼の製作には運動ムウブマンがあつた。生生いきいきして居た」
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
かれ最愛さいあいちゝ濱島武文はまじまたけぶみは、はるかなる子ープルスで、いま如何いかなるゆめむすんでるだらう、少年せうねんゆめにもかくした母君はゝぎみ春枝夫人はるえふじんは、昨夜さくやうみちて、つひその行方ゆくかたうしなつたが
白波のひまなく寄する行方なめがたの三埼に立てる離れ松あはれ
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いゝえ、死んだのなら却て斷念あきらめがつきますが別れたぎり、如何なつたのか行方いきがたが知れないのですよ。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あいつは妙な行方いきかたでお前さんに奉公しています。300
棍元教の大先達が、自在棒を押取おっとって控えたからには、たなそこをめぐらさず、立処たちどころに退治てくれる。ものと、しなにっては、得脱成仏もさしてる。……対手あいてによっては、行方ぎょうりきが手荒いぞ。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、愚痴交じりにいっておられた所を見ると、未亡人も承諾はしたものの、先方の行方やりかたが乱暴なので迷惑に感じたような口裏であった。
房枝は、にくらしげに、その自動車の行方ゆきさきを見つめていた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれど敏子の行方ゆくさきは誰も知らなかった。あんまり深入りしてたずねるのも気がひけたので、彼は敏子が帰るまで毎日訪ねて来て様子を見ることにした。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
行方ナメカタ当麻タギマ郷の国栖の寸津毘古キツビコが、倭武天皇に斬り殺された時、寸津毘売キツビメの懼悚心愁、表挙白幡道奉拝(常陸風土記)とある話は、幼稚な詞藻をひねり廻した此書物ではあるが
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)