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福鼠
愛ちやんは
再び
福鼠に
腹を
立たせまいと、
極めて
愼ましやかに、『
私には
解りませんわ。
何所から
皆な
糖蜜を
汲んで
來たのでせう?』
帽子屋は、
福鼠と
手に
手を
取つて、
其の
後から
續いて
法廷に
入つて
來た三
月兎を
見て、『三
月の十四
日だつたと
思ひます』と
云ひました。
答へられたが
愛ちやんには
愈々合點がゆかず、
福鼠の
饒舌るがまゝに
委せて、
少時の
間敢て
喙を
容れやうともしませんでした。