“喙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちばし56.4%
くち30.9%
ついば6.4%
クチバシ1.1%
かい1.1%
1.1%
つつ1.1%
つッつ1.1%
はし1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾々に支払う蚊の涙ほどの鑑定料が惜しいのかも知れないが、余計なところには一切くちばしれさせないのだから詰まらない事おびただしい。
無系統虎列剌 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『もうないから、萬望どうぞはなして頂戴ちやうだいな』とあいちやんは謙遜けんそんして、『二くちれないわ。屹度きつとそんな井戸ゐどひとくらゐあつてよ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
その日の弁当(持ち運びえのしない)を鴉でもついばむだけの骨折甲斐のない包みにして積み重ねた石ころの上に置いて、仕事にかかっていたのに。
郎女は、シヅかに両袖モロソデを、胸のあたりに重ねて見た。家に居た時よりは、れ、皺立シワダつてゐるが、小鳥のハネには、なつて居なかつた。手をあげて唇に触れて見ると、クチバシでもなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
わたくしは安政二年に抽斎がかいを時事にるるに至ったのを見て、かくの如き観をなすのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いよよはやく乱れたばしる霰の玉雀さやげどみもあへなくに
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かへでの枝に松潜まつくゞりに似た小さな鳥が飛んで来て、そそくさと樹肌こはだつついてゐたが、それいたといつた風に、ひよいと此方こちらむきに向き直つて、珍らしさうにきよろづきながら唖のやうに黙りこくつてゐる。
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
幸「まだ知れねえが、多分海へ流されて、天罰だから何処かの岸へ打揚げられ、烏につッつかれるぐらいの事は何うしたってなければならないよ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ああ、何もかもいすかはし——と落胆がっかりしたが、とにかく、そのだいがわりになっている旅川周馬という者に会い、絶家したお千絵様が、どこに身を落ちつけたか、それを尋ねてみるにしかずと門をくぐった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)