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喙
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ついば
ふりがな文庫
“
喙
(
ついば
)” の例文
その日の弁当(持ち運び
映
(
ば
)
えのしない)を鴉でも
喙
(
ついば
)
むだけの骨折甲斐のない包みにして積み重ねた石ころの上に置いて、仕事にかかっていたのに。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
二、三匹の
鶺鴒
(
せきれい
)
がその上をば長い
尖
(
とが
)
った尾を振りながら苔の花を
喙
(
ついば
)
みつつ歩いている。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
男は必ず負ける。
具象
(
ぐしょう
)
の
籠
(
かご
)
の中に
飼
(
か
)
われて、個体の
粟
(
あわ
)
を
喙
(
ついば
)
んでは嬉しげに
羽搏
(
はばたき
)
するものは女である。籠の中の小天地で女と鳴く
音
(
ね
)
を競うものは必ず
斃
(
たお
)
れる。小野さんは詩人である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
山懐
(
やまふところ
)
に抱かれた
稚
(
おさな
)
い
媛
(
ひめ
)
が、悪道士、邪仙人の魔法で呪はれでもしたやうで、血の牛肉どころか、吉野、竜田の、彩色の菓子、墨絵の
落雁
(
らくがん
)
でも
喙
(
ついば
)
みさうに、しをらしく、いた/\しい。
玉川の草
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あとで果して仲密君の屋敷内に群鶏が雑居して庭じゅうを飛び廻り、地面の上に敷かれた美しい錦の若葉を無残にも
喙
(
ついば
)
み尽した。たいていこれはエロシンコ君の勧告の結果だろうと思われる。
鴨の喜劇
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
▼ もっと見る
強い日光に照りつけられた海水の反映が室の壁と天井とに
絶間
(
たえま
)
なく波紋の
揺
(
うご
)
く影を
描
(
ゑが
)
いてゐる。窓の上に巣を作つてゐる燕が、幾羽となく海の方へ飛んで行つては
海草
(
うみくさ
)
のちぎれを
喙
(
ついば
)
んで来る。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
“喙(くちばし)”の解説
くちばし(嘴、喙、觜)とは、鳥類他の採食器官で、上下の顎が突出し、口周辺がひと繋がりの角質の板によって硬くなったもの。頭部の他の部分から滑らかに続くものもあるが、鳥類ではその間に区別がある。唇のような柔軟性がないが、硬いために突くなどする際には効果が大きい。一般には鳥のそれを指す。
(出典:Wikipedia)
喙
漢検1級
部首:⼝
12画
“喙”を含む語句
容喙
口喙
吻喙
喙木鳥
喙長魚
御喙容