“山懐”のいろいろな読み方と例文
旧字:山懷
読み方割合
やまふところ82.8%
やまぶところ13.8%
やまふとこ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときに、真先まつさきに、一朶いちださくら靉靆あいたいとして、かすみなか朦朧もうろうたるひかりはなつて、山懐やまふところなびくのが、翌方あけがた明星みやうじやうるやう、巌陰いはかげさつうつつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
晴れ渡った晩秋の旭光きょっこうがウラウラと山懐やまぶところの大邸宅を照し出すと、黄色い支柱を並べた外廊下に、白い人影が二つほど歩みあらわれた。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かかる山懐やまふところにも焼畑はあって、憐れげな豆やあわが作られている。そのまた奥には下駄を造る小屋もある。山人の生活は労多きものである。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)