“喙:くちばし” の例文
“喙:くちばし”を含む作品の著者(上位)作品数
南方熊楠4
夏目漱石4
森鴎外4
福沢諭吉3
島崎藤村2
“喙:くちばし”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 地理・地誌・紀行 > アジア50.0%
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話]13.3%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語4.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
日本には、国会開設の催しのある由であるが、外交、兵制、経済の三事は、けっして議院のくちばしをいれさせてはならない。
諸君が斯ういふことにくちばしれないでも、無論学校の方で悪いやうには取計ひません——諸君は勉強が第一です。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「そんなことができるかッ。青二才の分際で、らざるくちばし、大事のさまたげすると、うぬから先に血まつりに捧げるぞ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他の怪物の一つは、鉄の嘴を持ってきて大異のくちびるに当てた。脣はまたそのまま鳥のくちばしのようになった。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こういう問題に対して自分は到底くちばしを容れる資格のないものであるが、ただ手近な貧しい材料だけについて少しばかり考えてみる。
短歌の詩形 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
彼様あんくちばしの黄色い手合が、校長の自分よりも生徒に慕はれて居るとあつては、第一それが小癪に触る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
殊に公平を第一義とする史学にくちばしるるものに在りては、この点において最も厳格ならむことを要す。
仏教史家に一言す (新字旧仮名) / 津田左右吉小竹主(著)
胡麻塩頭ごましおあたまを五分刈にして、金縁の目金を掛けている理科の教授石栗いしぐり博士が重くろしい語調でくちばしれた。
里芋の芽と不動の目 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
王はそこで王成の鶉を手に持って、くちばしより爪先つまさきまでくわしく見てしまって、王成に問うた。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
渠はその公判のなんたるを知らざるがごとし。かたわらにいたる旅商人たびあきゅうどは、卒然われがおくちばしれたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
時勢論などをして居たのを聞たこともある、けれども私は夫れに就てくちばしれるような地位でない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一家の批判を、一家として最後最上の批判と信ずるのに、何人なんぴとくちばしれようがない。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
娘の体は再び花の中にうずもれたが、やや有ってあらわれた少年のせなには、すさまじい鈎形かぎがたに曲ったくちばしが触れた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「近頃、当家は、奥と、表とが、混同して参りました。表より、奥を指図するのは、とにかく、奥より、藩政へまで、くちばしを出す方が出来て——」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
そうして置いては、兄の隠居が何事をしようと、これにくちばしれることが出来ぬであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
吾々に支払う蚊の涙ほどの鑑定料が惜しいのかも知れないが、余計なところには一切くちばしれさせないのだから詰まらない事おびただしい。
無系統虎列剌 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
至大のことより至細のことに至るまで、他人の働きにくちばしれんと欲せば、試みに身をその働きの地位に置きてみずから顧みざるべからず。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
亨一は此話の間に屡々くちばしさしはさまうとしたがやつと女の詞の句切れを見出した。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
けてお遣りよ。昌作さんが可哀想だから。』と見物してゐたお柳がくちばしを容れた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「あんな愚劣なよた者に今後絶対にくちばしを容れさせない解決法が一つあります——」私は言葉の途中から自分の喋つてゐることが殆んど分らない状態だつた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
そこで船頭と相談して舟をやろうとしていると、やがて巨きなくちばしが水の面に出て来た。
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
背中一ぱいに青い波がゆれて、まっかな薔薇ばらの大輪を、さばに似てくちばしの尖った細長い魚が、四匹、花びらにおのが胴体をこすりつけて遊んでいます。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
亨一は此話の間に屡々くちばしさまうとしたがやつと女の詞の句切れを見出した。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
イワンは己のくちばしさしはさんだのを不快に思つたと見えて、叫ぶやうに云つた。
ビ・リ・リ・リ・リと叫びながら遠野のくれたくちばしの紅い小鳥が籠の中で跳上る。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
「何だ、何です、君は。突然に人の話の中へくちばしをいれて、無礼ではないか」
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
たとい口がくちばしになっていても、我々はそこに人らしい表情を強く感ずる。
面とペルソナ (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
羽山は笑ひつゝくちばしれぬ「金貨の一つも拾つたと云ふのか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
以上述べ来った事については多分万葉学者からは貴様の様な門外漢が無謀にも我が万葉壇へくちばしるるとはケシカランことだとお叱りを蒙るのを覚悟のまえで、カクハモノシツ。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あなた方は兄さんの将来について、とくに明瞭めいりょうな知識を得たいと御望みになるかも知れませんが、予言者でない私は、未来にくちばしさしはさむ資格を持っておりません。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
安政三年になって、抽斎は再び藩の政事にくちばしれた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
侍臣の一人がくちばしの黒い鶉を持って来て王成の鶉に当らした。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
であるから外交上の事にくちばしれる権利はむろんない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ところが委任された権力をかさに着て毎日事務を処理していると、これは自分が所有している権力で、人民などはこれについて何らのくちばしるる理由がないものだなどと狂ってくる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
殆ど支那の文献にくちばしを容るゝ資格だに闕けてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
家を持つて間のない道助夫妻が何かしら退屈を感じ出して、小犬でも飼つて見たらなどと考へてる頃だつた、遠野がお祝ひにと云つてくちばしの紅い小鳥を使ひの者に持たせて寄来よこしてくれた。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
思いがけない声を、尚も出し続けようとする口を、押えようとすると、自身すらいとおしんで居た柔らかな唇は、どこかへ行ってしまって、替りに、ささやかな管のようなくちばしが来てついて居る——。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
また其事それくちばしれる権利もない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
鳥何か言い掛けると蛇をくちばしからおとす。
そばから遠慮げにくちばしを容れた男がある。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これに反して、東洋においては、法は神または君の作ったもので、人民はかれこれくちばしを容れるべきものでないとなっておったから、法に関する諺がおのずから人民間には出来なかったものであろう。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
ただ学問上に限るのみにして、政治に関してはかつて儒臣のくちばしをいれしめず、はなはだしきはこれを長袖ちょうしゅうの身分と称して、神官、僧侶、医師の輩と同一視して、政庁に入れざるのみならず
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
額の左右に角のある赤い髪の者、青い髪をして翼の生えた者、鳥のくちばしのような口をして※牙きばの生えた者、牛のような顔をした者、それらは皆藍靛あいいろの体をして、口から火のような焔を吐いていた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ところで、君も相当の年配ではあるし、結婚後四年といふ月日が経つてゐる今日、僕などからかれこれくちばしれられることは、実際迷惑かも知れんが、そこは一つ、年寄の顔を立てると思つて勘弁してもらひたい。
五月晴れ (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
くちばしむすびたゞしく
しやうりの歌 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
かつて人に相談しようとも思わなければ、人にくちばしれさせようとも思わぬ、貧富苦楽、共に独立独歩、ドンな事があっても、一寸ちょいとでもこまったなんて泣言をわずに何時も悠々として居るから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「公も、もう、お判りになったであろう。奥向より、表のことへくちばしを入れるは愚か、呪殺まで試みた女を、今日まで生かしておいたのは不思議じゃ。公が、ここまで、お判りなら、論は無い。由羅を斬って、我々が腹をすればよい」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「ところで、ヷーニャ……」と相手のボタンをつかまえて赤くなりながらサモイレンコが言った、「君の家庭のことにくちばしを容れるようですまないが……なぜ君はナヂェージダ・フョードロヴナと一緒に発ってはならんのかね。」
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
純粋なる学術的研究、研究室内の研究は実務のやくにたたぬ無用のもののように考え、それでありながら何らかの必要が起ると急に学者を利用しようとしたり、学術上の素養もなく知識もないものが学術的研究にくちばしをいれようとしたり
今朝廷からこの指令のあるのは将軍の権を奪うにもひとしい、将権がひとたび奪われたら天下の政事まつりごとはなしがたい、ただいま内外多端の際にくちばしれてその主任の人を廃するのは将軍をして職掌を尽くさしめないのである
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その内クムビラてふはヒンズ語でクムヒル、英語でガリアル、またガヴィアルとて現存鱷群中最も大きく、身長二十五フィートに達し、ガンジス、インダス河より北インドの諸大河に棲み、くちばし細長く尾の鼻端大いに膨れ起り、最も漢画の竜に似たり。
今は結婚その他の点についても何人もくちばしを挟む事のできない身分でありますから、多年恋着していた婦人を正式に迎えるのはこの時と云うので、狂うばかりに喜んで、仏蘭西フランスへ渡りますと、女の方ももとより深い仲の事でありましたから
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ラウズ英訳『仏本生譚ジャータカ』一九六に、仏前生飛馬たりし時鬼が島に苦しむ海商どもを救うた事を述べたるにも、その飛馬全身白くくちばし烏に似、毛ムンジャ草のごとく、神力を以て雪山よりセイロン(鬼が島)まで飛んだとあれど翼の記載はない。
礼に何も持って来たとないところがかえって事実譚らしく、九世紀に支那に渡ったペルシャ人アブ・ザイド・アル・ハッサンの『紀行』(レイノー仏訳、一八四五年板一五〇頁)にも、狐が介の開けるを見、その肉を食わんとくちばしを突っ込んできびしく締められ
少しでも私の意が動くと見たら、マジャルドーはもっと何か私に言いたいことがあったのであろうが、私が相手にならず多少迷惑そうな素振りさえ示していたので、自分より年下でもまさかに主人筋たる私の私事に、この上無遠慮にくちばしを入れることもはばかられたのであろう。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
「何もあんたの身の上話なんぞ聴く必要はありませんよ。わしは他人ひとの内輪のことにくちばしれるのが嫌いでして——それはあんた御自身の問題ですからなあ。あんたの方で農奴が欲しいと仰っしゃるから、わしは売ろうというまでで、これを買わなかったら後で後悔しますぜ。」
森さんがまた、「大坂ダイハン、貴様これからあの女と口をくな。顔もみるな。少しは考えろ」とくちばしを入れるのに松山さんが続けて、「貴様のためにクルウの調子がくるって、もし、負けたら、手足の折れるまで、なぐりたおすから、そう思え」それから、なんとしかられたか忘れました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
あんな、くちばしの青い、ハムレットだのホレーショーだのと一緒になって、歯の浮くような、きざな文句を読みあげて、いったい君は、どうしたのです。なにが朗読劇だ。遠い向うの、遠い向うの、とおちょぼ口して二度くりかえして読みあげた時には、わしは、全身、鳥肌とりはだになりました。ひどかったねえ。見ているほうが恥ずかしく、わしは涙が出ました。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)