“騒”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
さわ54.5%
ざわ18.7%
さわぎ13.6%
さわが6.0%
さや3.0%
さは1.7%
さう0.9%
あが0.4%
そう0.4%
ぞめ0.4%
サヤ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いま、さむかぜが、あちらのとおもりなかさわいでいる。」と、にわとりげますと、にわとりは、うなだれてからだじゅうをまるくしてちぢむのでした。
ものぐさなきつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
後方の足軽組などのあいだに、そんな私語ささやきがややざわめきかけたと思うと、たちまち謙信の声と、その姿とが、全軍の上へ向って
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あああきれた。あそこを見なよ。このさわぎのなかに呑気のんきな顔をして将棋をさしている奴がいるぜ。ホラ、あそこんとこを見てみろ……」
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それで老母を初め細君娘、お徳までの着変きかえやら何かに一しきりさわがしかったのが、出てったあとは一時にしんとなって家内やうち人気ひとげが絶たようになった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
屋根をころげてさや乳繰ちゝくる二羽の雀ぱぱと飛びわかる雪煙立てて
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふ。其処そこしぶりながら備中守びつちうのかみ差出さしだうでを、片手かたて握添にぎりそへて、大根だいこんおろしにズイとしごく。とえゝ、くすぐつたいどころさはぎか。それだけでしびれるばかり。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとしきり飛び連れ下りるさうぞきの、さて出立でたつらむ。
雑色たちは、庭門のそばで、あがいていた。駻気かんきのつよい馬とみえ、ちょっと、手におえないらしいのである。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
布衣ほいの妻が、良人の身代りに、邪恋の男のやいばで死んだ——というだけなら、市井しせいの一些事さじ。何も院をあげて、そうめくにもおよばないが……問題は、武者所にある。武者所のみだれに
二人はこのごろ、ろくろく話をするような折もなかった。芳太郎は昼間も酒の気を絶やさず、夜はまたふらふらとそこらをほつき廻り、友達と一緒に宿場をぞめき歩いた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
笹の葉はみ山もさやにサヤげども、我は妹思ふ。別れ来ぬれば(同——万葉巻二)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)