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騒
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さは
と
言ふ。
其処で
渋りながら
備中守の
差出す
腕を、
片手で
握添へて、
大根おろしにズイと
扱く。とえゝ、
擽つたい
処の
騒ぎか。
最う
其だけで
痺れるばかり。
私は
畢生の
幸福の
影が
消えて
了つたかのやうに
心を
騒がせ、
急いで
引出して
見た。
と
若いものを
連れて、どたばた
引上げる
時分には、
部屋の
前から
階子段の
上へ
掛けて、
女中まじりに、
人立ちがするくらゐ、
二階も
下も
何となく
騒ぎ
立つ。