“海騒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うみざい66.7%
うみさい33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とたんに海騒うみざいのような観衆のりはハタとつばを呑んでやんだ。燕青の真白な肌にあい朱彫しゅぼりのいれずみが花のごとく見えたからである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして明けても暮れても、静かな海騒うみざいと、長閑のどかな陽あたりのほか、何事もない城下町では、この一家庭も、勿論、平和に見えた。ただ夫婦の仲に、子がないだけが淋しく思われる位なものであった。
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世間というものが途端に渺茫びょうぼうとして頼りない海騒うみさいのように思えた。経験のある社会といえば、郷里の宮本村と、関ヶ原の戦のあった範囲よりほか知らないのである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)