“渋”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
しぶ81.5%
しか10.8%
3.1%
しぶり3.1%
1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度山々では紅葉もみじが赤らむのでね、善光寺詣りの団体くずれが、大群をなして温泉めぐりをやり、しぶからこの上林へとくり上って来る。
敬之進は顔をしかめた。入口の庭の薄暗いところに佇立たゝずんで居る省吾を炉辺ろばたまで連れて来て、つく/″\其可憐な様子をながなが
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
言ひぶる梅子の容子ようすに銀子は嫣然えんぜん一笑しつ「篠田さんに御会ひなすつたとおつしやるんでせうツ」手を挙げて思ふさま、ビシヤリと梅子のひざを打てり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
真個天真なるさま見えてことばを飾るとは思われざるにぞ、これ実に白痴者なるかを疑いつつ、一応こころみに愛国の何たるかを教えみんとや、少しく色をやわらげる、重きものいいのしぶりがちにも
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
塩物屋しおものやさけの切身が、びた赤い色を見せて、並んでいる。隣りに、しらす干がかたまって白くり返る。鰹節屋かつぶしやの小僧が一生懸命に土佐節とさぶしをささらでみがいている。ぴかりぴかりと光る。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)