“渋団扇”のいろいろな読み方と例文
旧字:澁團扇
読み方割合
しぶうちわ93.8%
しぶうちは6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かろう、で、鍍金めっきの奴が腕まくりをして、トにらみ合うと、こけ勘が渋団扇しぶうちわきっとさして、見合って、見合ってなんてったんですって。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肥後葉の十一等なんていう渋団扇しぶうちわみたいのや、朝鮮葉の青黒い、しかも「土葉」なぞは、キーンと眼までしみて、まったく、泣くツラさだった。
工場新聞 (新字新仮名) / 徳永直(著)
そろひ浴衣ゆかたに白いちぢみ股引ももひき穿いて、何々浜と書いた大きい渋団扇しぶうちは身体からだをはたはたと叩いて居る姿が目に見える様である。
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
埋火うづみびをかき起して炉辺ろへん再びにぎはしく、少婦は我と車夫との為に新飯をかしぎ、老婆は寝衣しんいのまゝに我が傍にありて、一枚の渋団扇しぶうちはに清風をあほりつゝ、我が七年の浮沈を問へり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)