“唐団扇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
からうちわ66.7%
とううちわ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのあいだに、常葉ときわの局は、唐団扇からうちわで横からりょうを送り、百合殿ノ小女房は、天目台てんもくだいにのせたお薬湯のわんをすすめた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
傍らへ寄せた白土の煎茶炉せんちゃろへ、さっきから三つ四つの炭のけらをついでいたが、火箸を置くと、風雅な唐団扇からうちわって、ちりのたたぬ程に炉の口をあおいでいるのだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉藻は忠通をあおいでいる唐団扇とううちわの手を休めて、しばらく考えているらしかったが、あらためて主人の前に手をついた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
町家まちやでは、前の年の寒のうちに寒水でつくった餅を喰べてこの日を祝い、江戸富士詣りといって、駒込こまごめ真光寺しんこうじの地内に勧請かんじょうした富士権現に詣り、麦藁むぎわらでつくった唐団扇とううちわや氷餅
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)