“唐黍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうきび45.7%
たうきび20.0%
もろこし11.4%
たうもろこし8.6%
とうもろこし8.6%
からきび2.9%
もろこしきび2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また「麦秋」という訳名であるが、旱魃で水をほしがっているあの画面の植物は自分にはどうもきび唐黍とうきびかとしか思われなかった。
映画雑感(Ⅳ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
いまだと早速さつそく千匹屋せんびきやへでもおろしさうなものを、川柳せんりうふ、(地女ぢをんなりもかへらぬ一盛ひとさかり)それ、意氣いきさかんなるや、縁日えんにち唐黍たうきびつてかじつても、うちつたすもゝなんかひはしない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見るとその畑の中に、何やら黒く動くものが見えました。もとより人のよりも高い唐黍もろこしが茂っているのですから、何ものだかはっきり分りません。
(新字新仮名) / 久米正雄(著)
ちかい。が焼山やけやまである。唐黍たうもろこしげてゐやう。茄子なすびあかからう。女気をんなげとほざかることかばんのぞいて十あまつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悪戯いたずらこうじて、この節では、唐黍とうもろこしの毛の尻尾しっぽを下げたり、あけびを口にくわえたり、茄子提灯なすびぢょうちん闇路やみじ辿たどって、日が暮れるまでうろつきますわの。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或薄ら寒い秋の日の暮、彼は一本の唐黍からきびたちまちこの画家を思ひ出した。丈の高い唐黍は荒あらしい葉をよろつたまま、盛り土の上には神経のやうに細ぼそと根をあらはしてゐた。
或阿呆の一生 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
甲斐の國は青田の吉國よくに桑の國唐黍もろこしきびの穗につゞく國
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)