“唐辛子”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
とうがらし74.3%
たうがらし25.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その次には、一人の武骨な男が、得意になって三味線をひいていると、その前に、鬼が唐辛子とうがらしを持ちながら、しきりに涙を流しているところがある。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それからまた一方の椀には唐辛子とうがらしと塩とを入れて置きまして、そうして一方の麦焦しを雪とバタとでよく捏ねてその唐辛子の粉と塩とを付けて喰うのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
そしてヴェネチアでは唐辛子とうがらしの酢漬を買って見たり、小蛸こだこのうでたのなどを買って食ったりしたのであった。
(新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その大きなまっかな張り抜きの唐辛子とうがらしの横腹のふたをあけると中に七味しちみ唐辛子の倉庫があったのである。
物売りの声 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
蓋物ふたものの陶器をそこへ出した。開けてみると、醤油煮しょうゆにのごまめに赤い唐辛子とうがらしが入っていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それを見てゐた人は二人も三人もあるんだ。どうだ女、南蠻祕法大毒藥は、七味唐辛子たうがらしの代りにやならないぜ。内儀を殺して後釜にすわる氣だつたに違ひあるめえ」
部屋一パイにこめて居るのは、七味唐辛子たうがらしをブチけたやうな、凄い煙で、その煙をつんざいて、稻妻の走ると見たのは、雨戸から障子へ燃え移つたほのほです。
「八の野郎がまた、ゲラゲラ笑ひながら舞ひ込んで來たやうだ。火鉢の中へ唐辛子たうがらしでもいぶして置け」
銭形平次捕物控:315 毒矢 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
忿怒ふんぬ面相めんさう、しかしあつてたけからず、大閻魔だいえんままをすより、くちをくわつと、唐辛子たうがらしいた關羽くわんうてゐる。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども、美しく高ぶつた処女の残忍性には限りが無い。ほとんどそれは、悪魔に似てゐる。平然と立ち上つて、狸の火傷にれいの唐辛子たうがらしをねつたものをこつてりと塗る。狸はたちまち七転八倒して、
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)