“朝寒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あささむ66.7%
あさざむ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜具を退けて、床を離れる途端とたんに、彼女は自分で自分の腕の力を感じた。朝寒あささむ刺戟しげきと共に、まった筋肉が一度に彼女を緊縮させた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
茶柳条ちやじまのフラネルの単衣ひとへ朝寒あささむの羽織着たるが、御召縮緬ちりめんの染直しなるべく見ゆ。貫一はさすがに聞きも流されず
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
土手八丁どてはっちょうをぶらりぶらりと行尽ゆきつくして、山谷堀さんやぼり彼方かなたから吹いて来る朝寒あさざむの川風に懐手ふところでしたわが肌の移香うつりがいながらやま宿しゅくの方へと曲ったが
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さて、つまみ、ちがへ、そろへ、たばねと、大根だいこのうろきのつゆ次第しだいしげきにつけて、朝寒あさざむ夕寒ゆふざむ、やゝさむ肌寒はだざむ夜寒よさむとなる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)