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朝寒
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あさざむ
ふりがな文庫
“
朝寒
(
あさざむ
)” の例文
土手八丁
(
どてはっちょう
)
をぶらりぶらりと
行尽
(
ゆきつく
)
して、
山谷堀
(
さんやぼり
)
の
彼方
(
かなた
)
から吹いて来る
朝寒
(
あさざむ
)
の川風に
懐手
(
ふところで
)
したわが肌の
移香
(
うつりが
)
に
酔
(
え
)
いながら
山
(
やま
)
の
宿
(
しゅく
)
の方へと曲ったが
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さて、つまみ
菜
(
な
)
、ちがへ
菜
(
な
)
、そろへ
菜
(
な
)
、たばね
菜
(
な
)
と、
大根
(
だいこ
)
のうろ
拔
(
ぬ
)
きの
葉
(
は
)
、
露
(
つゆ
)
も
次第
(
しだい
)
に
繁
(
しげ
)
きにつけて、
朝寒
(
あさざむ
)
、
夕寒
(
ゆふざむ
)
、やゝ
寒
(
さむ
)
、
肌寒
(
はだざむ
)
、
夜寒
(
よさむ
)
となる。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
朝寒
(
あさざむ
)
のころに、K—がよく糸織りの
褞袍
(
どてら
)
などを着込んで、火鉢の傍へ来て飯を食っていると、お銀が台所の方で
甲斐甲斐
(
かいがい
)
しく弁当を詰めている、それが
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
伊助は
朝寒
(
あさざむ
)
とは別に身を顫はせました。
狐憑
(
きつねつ
)
きから落ちた狐のやうな顏が、妙に惡賢こさを思はせます。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝寒
(
あさざむ
)
はまだやわらいでいなかった。彼女は例の貧しげな古い
外套
(
ブルヌース
)
を着て、緑色のきれを頭からかぶっていた。その顔はまだ病気の名残りをとどめて、やせて青白く、頬がげっそりこけていた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
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かつての上方
女形
(
おやま
)
、
雀右衛門
(
じゃくえもん
)
の住居であったと聞くこの宿。お勝手や細廊下に働く人影も、小庭に
古
(
ふ
)
りた竹のすがたも、みな道頓堀の名女形といわれた主のかたみかと、なんとなく
朝寒
(
あさざむ
)
のいじらしい。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
寒
常用漢字
小3
部首:⼧
12画
“朝寒”で始まる語句
朝寒顔
朝寒夜寒