“寒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さむ71.2%
かん14.3%
さぶ3.3%
さむさ2.6%
2.6%
カン1.0%
0.7%
こご0.5%
さみ0.5%
さむい0.5%
ざむ0.5%
0.5%
ひえ0.5%
さぶき0.2%
さむか0.2%
さむし0.2%
さア0.2%
ぴん0.2%
サンブ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから、おじいさんは、それは、またさむがりでありました。けれど、こうしたむずかしやのおじいさんでも、子供こどもきでした。
ものぐさじじいの来世 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だから、く/\好きな者になると、真夏でも何でも、小堀を攻めて、鮒を相手に楽んでるです。食べては、かんに限るですが…………。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
身輕手輕とそればかりをせんにしたる旅出立たびでたちなれば二方荒神の中にすくまりてまだ雨を持つ雲の中にのぼる太華山人其のさぶさを察し袷羽織あはせばおり
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
如何いかんとなれば、人間にんげん全體ぜんたいは、うゑだとか、さむさだとか、凌辱はづかしめだとか、損失そんしつだとか、たいするハムレツトてき恐怖おそれなどの感覺かんかくから成立なりたつてゐるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それから「鴉がむそうだから、麺麭パンをやりたい」とねだる。女は静かに「あの鴉は何にもたべたがっていやしません」と云う。小供は「なぜ」と聞く。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
近来にない寒さだつた、カンが一時に押し寄せたやうだつた、手拭も葱も御飯も凍つた、窓から吹雪が吹き込んで閉口した。
行乞記:02 三八九日記 (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
夜になって辺りが闇にとざされる頃から青白い海霧ガスむと立てこむ夜中にかけて墨のような闇の海を何処どこをなにしにほっつき廻るのか家人が気を揉んで注意を
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
絶食するに至って初めて方便をめぐらすべきである。「三国さんごく伝来の仏祖、一人いちにんも飢ゑにしこごにしたる人ありときかず。」世間衣糧の資は「生得しょうとく命分みょうぶん
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
太「なに用はなえだからみな送りえとおめえまして、名残い惜いがさみい時分だから大事にしてねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其翌五日そのよくいつか奮然ふんぜんとしてたゞ一人ひとりつた。さむいかぜき、そらくもつた、いやであつたが、一人ひとりで一生懸命しやうけんめいつたけれど、なにぬ。
脚早あはや野分のわきは、うしろざむ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
『類函』三六六に宣城の令張路斯その夫人との間に九人の子あり、張釣りに行って帰るごとに体湿りてえ居る、夫人怪しみ問うと答えて言う、我は竜だ
日は暖かでも風が冷く途中は随分ひえましたろ、一瓶ひとつ煖酒つけましよか、と痒いところへ能く届かす手は口をきく其ひまに、がたぴしさせず膳ごしらへ、三輪漬はの香ゆかしく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
隨分無骨ぶこつなる調子にて始はフト吹出すやうなれど嶮しき山坂峠をば上り下りに唄ふものなればだみたるふしも無理ならず其文句に至りては率直にして深切しんせつありのまゝにして興あり始の歌木曾の山のさぶき
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
冷し人の心をさむからしむる等実に奇々怪々として読者の心裡をたのしましむ此書や涙香君事情ありて予に賜う予印刷して以て発布せしむ世評尤も涙香君の奇筆を喜び之を慕いて其著書訳述やくじゅつに係る小説とを
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
一、長閑のどかあたたかうららか日永ひながおぼろは春季と定め、短夜みじかよすずしあつしは夏季と定め、ひややかすさまじ朝寒あささむ夜寒よさむ坐寒そぞろさむ漸寒ややさむ肌寒はださむしむ夜長よながは秋季と定め、さむし、つめたしは冬季と定む。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ちひさな鶯さアむいか
小さな鶯 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
濱夕といふのところへ、三日にあげず通ひ詰めて、早手廻しの夫婦約束までしたといふことや、利八は相變らずすつからぴんですが、何時か大金が轉がり込むやうなことを言つてゐたが
翁の語りの中に「松風のじぶんな、サンブやかりける事よな」又は「翁松かげにかんざられ、寒や悲しや(?)」かう言ふ文句があるけれど、前後の関係の推測出来るやうに、筋立つても居ません。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)