“寒”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
さむ71.4%
かん14.0%
さぶ3.3%
3.0%
さむさ2.7%
カン1.2%
こご0.6%
さみ0.6%
ざむ0.6%
ひえ0.6%
(他:6)2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“寒”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)20.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌3.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
築山の草はことごとく金糸線綉墩きんしせんしゅうとんぞくばかりだから、この頃のうそさむにもしおれていない。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
怪物かいぶつが、はじめて田舎いなかのその村にやってきたのは、たしか二月もおわりに近い、あるさむい朝のことだった。
『なに吉さんはあの身体からだだものかんにあてられるような事もあるまい』と叔母は針の目を通しながら言えり。
置土産 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「そうそう、今年の正月、水門じりのお前の家でつかみ合いをやって、あの率八の奴にかんの水を浴びせかけられたきり、会わなかったんだね」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでもおまへさぶからうではないかかぜくといけないとければ、いてもいやね
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
生憎あいにく夜風よかぜさぶく、ゆめのやうなるかんがまたもやふつと吹破ふきやぶられて
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
内臓はすべて体外に出た。胸と腹との中は全く空っぽで、舟のような形になってしまった。少年の屍体は、なんだかむと見えた。
人体解剖を看るの記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
黒い柳を濃く薄く、遠近おちこちとかいて、むそうな漁夫がかさかたぶけて土手の上を通る。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人の説くを聞くに、このさかひさむさを知らず、數年前祁寒きかんと稱せられしとき、塞暑針は猶八度を指したりといふ。
晝のあつさ地球のために、またはしば/\土星のために消え、月のさむさをはややはらぐるあたはざるとき 一—三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
近来にない寒さだつた、カンが一時に押し寄せたやうだつた、手拭も葱も御飯も凍つた、窓から吹雪が吹き込んで閉口した。
行乞記:02 三八九日記 (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
また冬が来たやうな寒さ、雪(カンがあんまりあたゝかだつた)。
行乞記:03 (二) (新字旧仮名) / 種田山頭火(著)
荘子そうじ』に曰く、「至人しじんしんなり。大沢だいたくくるもくあたわず。河漢かかんこおれどもこごえしむるあたわず」と。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
三国さんごく伝来の仏祖、一人いちにんも飢ゑにしこごにしたる人ありときかず。」世間衣糧の資は「生得しょうとく命分みょうぶん」があって、求めても必ずしも得られない。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
太「なに用はなえだからみな送りえとおめえまして、名残い惜いがさみい時分だから大事にしてねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「成程ゆうべはさみいともつたら、ほれやまああんなに積つた。」で濱に立つ漁夫れふしでも、萬祝の古着で拵へた半纏で子供を背負つた女房でも、みんな額に手を翳して山の方を見た。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
脚早あはや野分のわきは、うしろざむに、
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
きさらぎざむのゆふべや、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
日は暖かでも風が冷く途中は随分ひえましたろ、一瓶ひとつ煖酒つけましよか、と痒いところへ能く届かす手は口をきく其ひまに、がたぴしさせず膳ごしらへ、三輪漬はの香ゆかしく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
火鉢のそばへすぐまたもどってたちまち鉄瓶に松虫のおこさせ、むずと大胡坐おおあぐらかき込み居る男の顔をちょっと見しなに、日は暖かでも風が冷たく途中は随分ひえましたろ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
風はさむいが好天氣淺草の觀音の市も大當おほあたり、川蒸汽の汽笛もたえずひゞく、年の暮近し世間は何となくざわめきて今日はいぬの日、明日はねの日とりの日
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
夜長よながは秋季と定め、さむし
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ちひさな鶯さアむいか
小さな鶯 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
『類函』三六六に宣城の令張路斯その夫人との間に九人の子あり、張釣りに行って帰るごとに体湿りてえ居る、夫人怪しみ問うと答えて言う、我は竜だ、鄭祥遠も実は竜で我と釣り処を争うて明日戦うはず故九子をして我を助けしめよ
千住の大橋屋に行つたガラツ八の報告は、平次の豫想した通り、利八はこの一と月ばかり前から、濱夕といふのところへ、三日にあげず通ひ詰めて、早手廻しの夫婦約束までしたといふことや、利八は相變らずすつからぴんですが、何時か大金が轉がり込むやうなことを言つてゐたが、近頃はそれも口にしなくなつたといふことでした。
翁の語りの中に「松風のじぶんな、サンブやかりける事よな」又は「翁松かげにかんざられ、寒や悲しや(?)」かう言ふ文句があるけれど、前後の関係の推測出来るやうに、筋立つても居ません。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)