“さむさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.8%
寒気34.8%
寒冷8.7%
寒威4.3%
悪寒4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひるかりしてけものしよくとし、夜は樹根きのね岩窟がんくつ寝所ねどころとなし、生木なまきたいさむさしのぎかつあかしとなし、たまゝにて寝臥ねふしをなす。
明後日が初酉の十一月八日、今年はやや温暖あたたかく小袖を三枚みッつ重襲かさねるほどにもないが、夜がけてはさすがに初冬の寒気さむさが感じられる。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
矢表やおもてに立ち楽世うましよ寒冷さむさ苦痛くるしみ暗黒くらやみ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
ふるへるやうな冷い風に吹かれて、寒威さむさ抵抗てむかひする力が全身に満ちあふれると同時に、丑松はまた精神こゝろ内部なかの方でもすこし勇気を回復した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何もかも今は夜の空気に包まれて、沈まり返つて、闇に隠れて居るやうに見える。それは少許すこしも風の無い、しんとした晩で、寒威さむさは骨に透徹しみとほるかのやう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
髑髏されかうべといふものは恁麽こんなぢやなからうかと思つたり、紅い口が今にも耳の根まで裂けて行きさうに見えたりして、ひ知れぬ悪寒さむさに捉はれる事が間々あつた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)