“寒気”のいろいろな読み方と例文
旧字:寒氣
読み方割合
さむけ58.5%
かんき30.5%
さむさ9.8%
しばれ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お君はその時に身のうちに寒気さむけを感じて、いつのまにか、恥かしい寝衣姿ねまきすがたで、奥庭の池のほとりに立っている自分を見出しました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なお妾と互い違いにして妾の両足りょうそくをば自分の両腋下えきかはさみ、如何いかなる寒気かんきもこのすきに入ることなからしめたる、その真心の有りがたさ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
明後日あさッて初酉はつとりの十一月八日、今年はやや温暖あたたかく小袖こそで三枚みッつ重襲かさねるほどにもないが、夜がけてはさすがに初冬の寒気さむさが身に浸みる。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
寒気しばれていた。広場はギュンギュンなって——皆は絶えず足ぶみをしていた。下駄の歯の下で、ものの割れるような音をたてた。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)