“さむけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寒気52.2%
悪寒31.5%
寒氣7.6%
惡寒3.3%
悪感2.2%
冷気1.1%
悪気1.1%
惡氣1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、ルーブル紙幣の名を聞いただけで、寒気さむけがしてぶるぶるとふるえが出る。そんなものを紙幣でいただこうなど毛頭もうとう思っとらん」
眼にも見えないその怪異に取りかれたものは、最初に一種の瘧疾おこりにかかったように、時々にひどい悪寒さむけがして苦しみ悩むのである。
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『風邪かも知れませんが、……先刻さつき支廳から出て坂を下りる時も、妙に寒氣さむけがしましてねす。餘程ぬくい日ですけれどもねす。』
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
さて其黄昏そのたそがれは、すこかぜ心持こゝろもちわたしねつ惡寒さむけがしたから掻卷かいまきにくるまつて、轉寢うたゝねうちこゝろかれる小説せうせつ搜索さうさくをされまいため、貸本かしほんかくしてあるくだん押入おしいれ附着くツついてた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
余りおそくまで戸外にいたので、ほんの少しではあったが、彼女は悪感さむけがした。
初雪 (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
岩井もさすがにぞっくりと冷気さむけだった面持で
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
肌の悪気さむけが、強欲に布をまといたがるように、寂しさを打ち消すものが欲しかった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嗚呼アノ爺もめさせられた、と思ふと、渠は云ふに云はれぬ惡氣さむけを感じた。何處へ行つても恐ろしい怖ろしい不安が渠にいて來る。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)