“悪気”のいろいろな読み方と例文
旧字:惡氣
読み方割合
わるぎ52.5%
わるげ27.5%
あっき10.0%
にくげ5.0%
あくき2.5%
さむけ2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただうろついている。源四郎はもとより悪気わるぎのある男ではない。祖母の態度たいど不平ふへいがあるでもなく、お政の心中しんちゅうを思いやる働きもない。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
『去年ですか。わたしは又、其点そこに気が付かなかつたもんですから……』と、孝子は少しきまり悪気わるげにして、其児の名を別の帳簿に書入れる。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ダンネベルグ様は、そういう悪気あっきのようなものから、なんとかしてのがれたいと、どれほど心を
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これに反して与次郎のごときは露悪党の領袖りょうしゅうだけに、たびたびぼくに迷惑をかけて、始末におえぬいたずら者だが、悪気にくげがない。可愛らしいところがある。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
神職 (魔を切るが如く、太刀たちふりひらめかしつつ後退あとずさる)したたかな邪気じゃ、古今の悪気あくきじゃ、はげしい汚濁じゃ、わざわいじゃ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肌の悪気さむけが、強欲に布をまといたがるように、寂しさを打ち消すものが欲しかった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)