トップ
>
悪気
>
わるぎ
ふりがな文庫
“
悪気
(
わるぎ
)” の例文
旧字:
惡氣
ただうろついている。源四郎はもとより
悪気
(
わるぎ
)
のある男ではない。祖母の
態度
(
たいど
)
に
不平
(
ふへい
)
があるでもなく、お政の
心中
(
しんちゅう
)
を思いやる働きもない。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「おまえは、
悪気
(
わるぎ
)
のある
女
(
おんな
)
ではないが、そういって、三
人
(
にん
)
に
約束
(
やくそく
)
をしたのはほんとうか。」と、
仏
(
ほとけ
)
さまは、
女
(
おんな
)
にたずねられました。
ちょうと三つの石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
悪くなさらないで下さいましな。ああいう変った方ですから、
悪気
(
わるぎ
)
で仰言ったのではございませんでしょうし、熱の加減もあったでしょうし……。
変な男
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
何しに来たつて、お前さんが
咎
(
とが
)
めるやうに聞くから言ふんだが、何も其の
何
(
ど
)
うしよう、
恁
(
こ
)
うしようといふ
悪気
(
わるぎ
)
はない。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「もう、
旦那
(
だんな
)
さん、
勘忍
(
かんにん
)
して下さい。ホンのこの坊ちゃん達のいたずらだ。
悪気
(
わるぎ
)
でしたのじゃありません。いい加減に、勘忍してあげてお
呉
(
く
)
んなさい。」
納豆合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
別に
悪気
(
わるぎ
)
があるという訳ではなく(悪気をもつほどの頭の働きはこの人に無いと、一般に信じられている。)
狼疾記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
もう六十有余にもなる質朴の田舎
爺
(
おやじ
)
でげすから、まさか
悪気
(
わるぎ
)
のあるものとも思われぬので、お若さんも少しは心が
落著
(
おちつ
)
き、
明白
(
あからさま
)
に駈落のことこそ申しませぬが
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あるじの僧に
悪気
(
わるぎ
)
のないのは判っている上に、熊や狼の
獣
(
けもの
)
もめったに襲って来ないという。それでも叔父の胸の奥には言い知れない不安が忍んでいるのであった。
くろん坊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕たちはなにも
悪気
(
わるぎ
)
があってするのじゃない。僕たちが君になんの危害を加えるつもりもないことを私は紳士としての、またフランス人としての名誉にかけて誓う。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
エエ、わたしもね、お前さんの伯父さんを鉄砲で撃ったけれども、それはちっとも
悪気
(
わるぎ
)
があってやったわけではなし、お前さんを欲しいばかりでしたことなのだよ。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「気の毒なことに、お関を助けるつもりでやった細工だ。最初はたいした
悪気
(
わるぎ
)
がなかったろう」
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
悪気
(
わるぎ
)
はないほんのいたずらをなされたのであろうと、ここまで
追
(
お
)
ってまいったのでございます。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「僕、決して
悪気
(
わるぎ
)
があって申上げたんじゃありません。師匠が笑って下さると思ったんです」
心のアンテナ
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
悪気
(
わるぎ
)
で
遣
(
や
)
られて
堪
(
たま
)
るものか。第一僕の為めに運動をするものがさ、僕の意向も聞かないで、勝手な方法を講じたり、勝手な方針を立てた日には、最初から僕の存在を愚弄してゐると同じ事ぢやないか。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分になんらの
悪気
(
わるぎ
)
はなかったものの、妻が自分にとつぐについては自分に
多大
(
ただい
)
な
望
(
のぞ
)
みを
属
(
しょく
)
してきたことは
承知
(
しょうち
)
していたのだ。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「こういう時に人間は
悪気
(
わるぎ
)
を起すのだ。出来るものなら俺も定九郎でも
極
(
き
)
めたい」
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
安「これはどうも……私も
悪気
(
わるぎ
)
で致しましたわけではありません、ねえお
母
(
ふくろ
)
さま」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ほんに、おまえさんに、よくいたずらしたっけが、
後生
(
ごしょう
)
だから、
悪
(
わる
)
く
思
(
おも
)
って、くんなさんなよ。ちっとも
悪気
(
わるぎ
)
はなかったのだから……。」と、
母親
(
ははおや
)
は、
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して
新
(
あたら
)
しく
出
(
で
)
る
涙
(
なみだ
)
をぬぐいました。
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「茶目だからさ。
悪気
(
わるぎ
)
はないけれど、先生から始終睨まれていた」
合縁奇縁
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「全く先生の
為
(
ため
)
を思つたからです。
悪気
(
わるぎ
)
ぢやないです」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お千代はそれほど力になる話相手ではないが
悪気
(
わるぎ
)
のない親切な女であるから、
嫁
(
よめ
)
小姑
(
こじゅうと
)
の仲でも二人は仲よくしている。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「
悪気
(
わるぎ
)
はないんだが、気がつかないのさ」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“悪気”の意味
《名詞》
悪い空気。
災いをなす気。
(出典:Wiktionary)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“悪”で始まる語句
悪
悪戯
悪口
悪寒
悪魔
悪辣
悪漢
悪罵
悪戯者
悪業