“薄寒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすさむ66.7%
うすざむ16.7%
うすらさむ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勘太郎の村から十丁ばかりはなれた所に光明寺こうみょうじという寺があった。山を少し登りかけた深い杉森すぎもりの中にあって、真夏まなつの日中でもそこは薄寒うすさむいほど暗くしんとしていた。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
久しく冷えたまゝの火鉢の灰に再び炭火をつがせるやうな、薄寒うすざむい濕つた氣候を呼び返す。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
やや乱れたか衣紋えもんを気にして、手でちょいちょいと掻合わせるのが、何やら薄寒うすらさむそうで風采とりなりも沈んだのに、唇が真黒まっくろだったは、杜若かきつばたく墨の、紫のしずくを含んだのであろう、えんなまめかしく
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)