“薄暮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はくぼ60.9%
くれがた17.4%
たそがれ8.7%
かはたれ4.3%
うすくれ2.2%
うすぐら2.2%
うすぐれ2.2%
ゆうぐれ2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何か、敵味方大声が谺(こだま)しあうと、一団また一団、太刀長刀(なぎなた)をひっさげた兵が、われがちに薄暮(はくぼ)の谷間をのぞんで駈け降りてゆく。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帰途(かえり)は、薄暮(くれがた)を、もみじより、花より、ただ落葉を鴨川へ渡したような——団栗橋(どんぐりばし)——というのを渡って、もう一度清水へ上ったのです。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
暗澹(あんたん)たる空は低く垂れ、立木の梢は雲のように霞(かす)み渡って居ながら、紛々として降る雪、満々として積る雪に、庭一面は朦朧(もうろう)として薄暮(たそがれ)よりも明かった。
狐 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
薄暮(かはたれ)の水路(すゐろ)にうつるむらさきの弧燈(こたう)の春の愁なるらむ
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
畦(あぜ)に突き当たって渦(うず)を巻くと、其処(そこ)の蘆は、裏を乱(みだ)して、ぐるぐると舞うに連れて、穂綿が、はらはらと薄暮(うすくれ)あいを蒼(あお)く飛んだ。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見て彼の旅人は驚きたる樣子にて小聲になり貴娘(あなた)はお花樣にては無きや如何の譯(わけ)で此家にと云れてお花は薄暮(うすぐら)ければ面貌(おもざし)は知れざれど我が名を呼は不審(ふしん)なりと彼の旅人の顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かつて、その岐阜県の僻土(へきど)、辺鄙(へんぴ)に居た頃じゃったね。三国峠を越す時です。只今、狼に食われたという女の検察をしたがね、……薄暮(うすぐれ)です。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
津田は後れた時間を案じながら、教えられた停車場(ステーション)で、この元気の好い老人と別れて、一人薄暮(ゆうぐれ)の空気の中に出た。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)