“うすぐら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄暗54.8%
微暗28.0%
薄闇9.7%
薄昏2.2%
淡暗1.1%
幽暗1.1%
薄暮1.1%
薄柔1.1%
薄黒1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いたにはあまり人がりませぬで、四五にんりました。此湯このゆ昔風むかしふう柘榴口ざくろぐちではないけれども、はいるところ一寸ちよつと薄暗うすぐらくなつてります。
年始まはり (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
云いたいことを云ってしまった女房は、やっと体が軽くなったので、土間どまへおりて微暗うすぐらい処で、かたかたと音をさしはじめた。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
乾燥かんさうした藁束わらたば周圍しうゐねぶつて、さらそのほのほ薄闇うすぐらいへうちからのがれようとして屋根裏やねうらうた。それが迅速じんそくちから瞬間しゆんかん活動くわつどうであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それもかなはぬなら、チッバルトがてゐやる薄昏うすぐらべうなか婚禮こんれいとこまうけてくだされ。
「ああそう」と虫の呼気いきのように応えたが、サモきまりが悪そうに受け取って、淡暗うすぐら洋燈ランプの光ですかして見たが、「どうもありがとう」と迷惑そうに会釈する。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
出札の河合は徒然つれづれに東向きの淡暗うすぐらい電信取扱口からのぞいては、例の子守女を相手に聞きぐるしい、恥かしいことを語りおうていたが、果てはさすがに口へ出しては言いかねるものと見えて
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
蚊帳ごしにれくる幽暗うすぐらい豆ランプの灯影ほかげに映るその顔を、そっと知らぬ風をして細眼に眺めると、すごいほどあおざめた顔に色気もなくつかねた束髪の頭髪あたまがぼうぼうといかかっていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
見て彼の旅人は驚きたる樣子にて小聲になり貴娘あなたはお花樣にては無きや如何のわけで此家にと云れてお花は薄暮うすぐらければ面貌おもざしは知れざれど我が名を呼は不審ふしんなりと彼の旅人の顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けつして超凡の人では無い………としたら、北側きたがわのスリガラスの天井てんじやうから射込さしこむ柔かな光線………何方かと謂へばノンドリした薄柔うすぐらひかりで、若い女の裸體を見てゐて
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
渚にしやがんで洗ひ物をして居る女もあつた。むかひの岸へ渡つて並木みちづたひに上流へ歩みながら市街の方を眺めた時、薄黒うすぐらくなつた古塔の険しい二つのさきに桃色の温かい夕日があたつて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)