“ほのぐら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホノグラ
語句割合
仄暗86.1%
微暗4.2%
幽暗2.8%
仄昏1.4%
仄闇1.4%
微黯1.4%
1.4%
灰暗1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仄暗ほのぐらいスタンドの灯かげが壁をてらしている光景が目に入った刹那、上体を右腕の上に、膝のうしろを左腕の上に掬われている伸子は
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
庭は木の繁みで微暗ほのぐらく、池の水や植木の鉢などが月明りに光つてゐた。開放あけはなした座敷は暗かつたが、籐椅子とういすが取出されてあつたり、火の消えた盆燈籠ぼんどうろうが軒に下つてゐたりした。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
幽暗ほのぐらい帳場格子のなかで、算盤そろばんをはじいている四十ばかりの内儀かみさんも、そんなに田舎くさくはなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
谷間の山壁に押しこめられたやうな、階段の下の仄昏ほのぐらい土間に立つて、富岡は矢庭やにはにおせいを抱いた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
七人なゝたりの淑女は、とある仄闇ほのぐらき蔭(縁の葉黒き枝の下なる冷やかなる流れの上にアルペの投ぐる陰に似たる)はつる處にとゞまれり 一〇九—一一一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
渠はひしとわが身をいだきて、松の幹に打ち当てつ。ふとかたわらを見れば、漾々ようようたる霞が池は、霜の置きたるように微黯ほのぐらき月影を宿せり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妻は座席を讓られたと見えて、二等室入口眞近のほのぐらいベンチに、小さい子を背負つた儘腰かけてゐた。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
妖魔ようまの眼のように窅然ようぜんと奥のかた灰暗ほのぐらさをたたえている其中に、主客の座を分って安らかに対座している二人がある。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)